映画『さよなら、バンドアパート』公開記念舞台挨拶に清家ゆきち、松尾潤、原作者・平井拓郎ら登壇! the band apartからのサプライズメッセージも

昨日7月16日(土)、シネマート新宿にて映画『さよなら、バンドアパート』の公開記念舞台挨拶が行なわれ、清家ゆきち、松尾潤、原作者・平井拓郎らが登壇、公開を迎えた心境を語った。

本作は、コロナ禍のもっと前、東日本大震災よりも前の大阪で、音楽の道に進みたいとささやかな夢を持っていた主人公・川嶋(清家ゆきち)が、ユリ(森田望智)との出逢いによって、ミュージシャンとしてプロデビュー、挫折を経て再生する様が描かれる。 原作は、juJoeのボーカルとギターを担当する平井拓郎による同名小説だ。

▲清家ゆきち

本作が俳優デビューとなった主人公・川嶋役の清家ゆきちは、「10年間ロックバンドをやっていてたのでステージでに立って表現することはありましたが、お芝居は初挑戦。めちゃくちゃ難しかったんですけど、それをはるかに上回るくらい楽しい撮影でした」と振り返る。

▲松尾潤

松尾潤が演じたのは、川嶋(清家)・シンイチロウロウ(KEYTALK / 小野武正)と同じバンドのメンバー・徹也という役どころ。「ドラマーの役なのですが、楽器自体これまでやったことがなかったんです。なのでドラムも叩けるか不安で。演奏シーンでは緊張しすぎて、手の震えでドラムを叩けるぐらいでした」と明かすと会場は笑いに包まれ、和やかな雰囲気に。「休憩中に清家さんや(小野)武正さんに教えて頂いたおかげで演じきることができました」と続ける。

▲宮野ケイジ監督

話題はヒロインを演じた森田望智の演技について。 宮野監督は「森田さんは関西弁ではなく、大阪弁の細かいニュアンスにこだわって演じていた」と明かすと、清家も「森田さんの演技が始まった瞬間から周りのスタッフさんが見えなくなるような感覚でした。カットがかかったら(スタッフ)が目に飛び込んでくる、みたいな。森田さんが引っ張ってユリと川嶋の世界観をつくってくれました」を感謝を述べる。

平井も、「森田さんが清家さんに『しょうもな!』っていうセリフがあるんですけど、アドリブなんですよね。それがものすごくリアリティがあって。スピリットが関西人になって演じていらっしゃるんですよね。さすがだなと」と言葉を呑む。 川嶋のバイト先の店長を演じた竹中直人の印象について清家は「イメージと何一つ違いない、優しくて、面白くて、ファンキーな方」と笑顔で振り返る。

宮野監督も「劇中、『よーくゆっくり考えろ』というセリフがあるんです。竹中さんはブルース・リーの『考えるな、感じろ』という名言を大事にされている方なので、ちょっと思うところがあるような感じでした(笑)。平井さんのほうをみたら、そこは譲れない、という顔をしていたので、竹中さんと相談して、竹中さんなりに言葉の意味を解釈してもらって演じてもらったという感じでした」と述懐する。

▲平井拓郎

終盤には平井による原作小説のインスピレーションの元になり、本作の製作に当たってはエンディングテーマのために再録音した楽曲『Can't remember』を提供したロックバンド、the band apartからのサプライズメッセージが代読された。 「原作を読ませてもらった時に、『過去と向き合い背負いながら今を生きていく物語』だと感じたので、我々も過去曲を再録することでアンサーとさせていただきました。それにしても、板橋練馬ローカルのボンクラ少年オヤジ集団である我々の音楽が映画館で流れる日が来るなんて…。」とメッセージが代読されると、原作者の平井は「僕自身もそうだし、当時いたロックバンドの音楽性を軒並み変えてしまったバンド。めちゃくちゃ感動しました」と感無量の様子だった。

『さよなら、バンドアパート』はシネマート新宿ほか全国順次公開中。

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