先行宇南、守って勝つ 高校野球栃木大会第8日

1回、宇南の主砲・塩浜が右前に先制の2点適時打を放つ=県営

 第104回全国高校野球選手権栃木大会第8日は16日、県営球場と栃木市のとちぎ木の花スタジアムで2回戦残りの5試合を行い、鹿沼東や宇都宮南、宇都宮短大付などが3回戦に進み、ベスト16がでそろった。

 鹿沼東は10年ぶりの3回戦進出。5安打5打点の神長春輝(かみながはるき)をはじめ計18安打を放ち、12-9で那須清峰との乱打戦を制した。

 シード宇都宮南は小山西に3-0。右腕神山由翔(かみやまゆいと)が5奪三振、9安打完封した。宇都宮短大付は右腕中村拓馬(なかむらたくま)が10奪三振、6安打完投し、2-1で茂木との投手戦を制した。

 シード文星芸大付は11-1で幸福の科学学園に六回にコールド勝ち。大田原は17安打を放ち、15-9で鹿沼に打ち勝った。

宇南神山、祖父にささげる完封

 宇都宮南の背番号1神山由翔(かみやまゆいと)は、ピンチを切り抜けるたびに自らを鼓舞するように何度もグラブをたたいた。

 二つ上の兄は速球派として国学院栃木時代はプロからも注目を集めた陽登(はると)さん(国学院大)。その背中を追うように小学生のころから白球を追い掛けてきた。

 そんな神山には空白がある。「野球から離れたい」。1年生大会を終えた直後、訳もなく気持ちがグラウンドに向かなくなった。

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