藤井聡太棋聖が永瀬王座下し防衛 10代ラスト対局制し棋聖戦3連覇、通算タイトル9期で歴代単独9位に

将棋の藤井聡太棋聖(竜王、王位、叡王、王将との五冠)に永瀬拓矢王座が挑戦するヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局が17日、名古屋市の万松寺で指され、後手番の藤井棋聖が勝利。対戦成績を3勝1敗として期生を防衛し、棋聖戦3連覇。通算タイトル獲得数を「9」とし、加藤一二三九段らを上回って歴代単独9位となった。

大熱戦となったシリーズも、終わってみれば藤井棋聖の貫禄勝ちとなった。今局の戦型は相掛かりとなり、中盤から徐々に優位に立つと、永瀬王座に定評のある粘りを許さず、鮮やかに寄せ切った。19日に20歳となる藤井棋聖にとって、今局は10代最後の一局。メモリアルな対局を完勝で飾って、〝最強の10代〟を締めくくった。

第1局は20年ぶりにタイトル戦の1局で千日手が2回成立する大熱戦の末、永瀬王座に屈した。2局目は、解説陣も驚愕する絶妙手順での逆転劇で五分に戻すと、第3局、そして第4局と危なげない勝利。将棋史上4人しかいない五冠王の自力をまざまざと見せつけた。

局後、藤井棋聖は「序盤からあまり前例の少ない展開になったんですけど、こちらが損する形でまとめ方が難しいんじゃないかと思ってやっていました。飛車交換で終盤になってこちらの玉が薄い形だったので、形勢がわからない時間が長かったです」と、あくまで淡々。番勝負を振り返り、「1局目2局目と、かなり苦しい展開が続いて、厳しいシリーズだったのかなと思います。結果が出せたのは良かったけど、厳しい戦いだったので、そこはしっかり振り返らなければいけないと思います」と、さらなる高みを見据えた。

(よろず~ニュース編集部)

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