「100匹に1匹」金ハブ現る、1m超す大物 馬渕・東大名誉教授、東村で撮影

 沖縄県東村の新川ダムの奥地で一般的なハブより体色の黄みが強く赤みが弱い「金ハブ」が撮影された。撮影されたのは6月25日で、撮影した東京大名誉教授の馬渕一誠さんによると、体長は1メートルを大きく超える大物だったという。

 分子細胞生物学が専門で、名護市の大浦湾で海底生物を調査している馬渕さんはこの日、海での仕事が休みとなり、趣味の一つ、野鳥を撮影しようとやんばるの山に出掛けた。新川ダムの奥地で、ヤンバルクイナがいないか崖の上から下の川をのぞき込んだところ、中腹にとぐろを巻くヘビに気付いた。見たことがない色に「外来種か」とカメラを向け、シャッターを切った。 馬渕さんは写真を兵庫県立大自然・環境科学研究所長の太田英利さんに送った。は虫類・両生類が専門で琉球大教授も務めた太田さんは、色や形などから「金ハブ」と判定した。太田さんはハブの体色の変異は地域に偏りがあるとしつつ「ハブ捕り名人から100匹に1匹くらいとかつて聞いたことがある。珍しい個体だ」と指摘した。

 金ハブとの出合いについて、馬渕さんは「沖縄を調査・研究で訪れるたびに、海だけではなく山でも生物多様性の豊かさを実感している」と話した。 (安里周悟)【関連記事】
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