交通事故死、最少の22人 2022年上半期の栃木県内 外出控えなど影響

上半期の県内交通死者推移

 県内の2022年上半期(1~6月)の交通事故死者数は前年同期比7人減の22人で、統計がある1954年以降で最少だったことが18日までに、県警への取材で分かった。3年連続で減少傾向が続いており、新型コロナウイルス禍に伴う外出控えや交通量減の影響とみられる。65歳以上の死者数は1人増の16人で、全体の7割超を占めた。一方、人身事故の発生件数は増加に転じており、県警は注意を呼びかけている。

 県警交通企画課によると、15~19年上半期の死者数の平均は45人だったが、新型コロナの感染が拡大した20年の上半期以降、20人台に減少した。今年は死亡事故が22件発生し、22人が死亡。これまでの最少だった20年の27人を下回った。

 事故形態別では、車と歩行者の衝突が3人増の9人。次いで車両同士の正面衝突が1人増の4人だった。車両の単独事故は3人で、前年同期比で9人減った。

 年代別では高齢者の割合の高止まりが目立つ。65歳以上の死者は16人。全体の72.7%に上り、過去5年間の平均の62.6%を約10ポイント上回った。50代と40代は2人ずつ、30代が1人で、20代以下はいなかった。

 高齢者の死者のうち、半数の8人は歩行中の事故だった。このうち4人は横断歩道を横断中で、ドライバー側に過失があった。

 交通死者数の減少の一方、人身事故件数は増加している。発生件数は1870件で、前年同期に比べ60件増加。負傷者数は2215人で57人増加した。

 県警は事故抑止に向け、高齢者対策に加え、重大事故につながりやすい自転車利用中や歩行中の事故防止を強化。ドライバーに「横断歩道での安全確認や歩行者優先を徹底してほしい」と呼びかけている。

 4月には県自転車条例が施行され、努力義務となった自転車利用時のヘルメット着用も促している。

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