<新型コロナ>上限は1日2千個 有症者に検査キット送付へ 感染者急増の埼玉、電子申請できょうから

埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

 埼玉県は19日、新型コロナウイルスについての専門家会議を開き、感染拡大に伴い症状がある人の検査体制強化として、20日から県民向けに電子申請による抗原検査キットの送付を始めることを確認した。会議後、大野元裕知事は記者団に「今後、新規陽性者が増えると、診療・検査医療機関での受診検査が追い付かなくなる懸念がある」と述べ、キットによる自己検査により、有症状者を診療する「診療・検査医療機関」の診療を補完したい考えを示した。

 県が指定する診療・検査医療機関での受診検査がすぐに予約できない場合などに、県のホームページ内から検査キットを申し込む。50歳未満で基礎疾患のない有症状者が対象。2日程度で自宅などに郵送され、自己検査を行い、陽性となった場合は、スマートフォンによる相談窓口(オンライン診療)を受診する。

 受け付けは20日午後1時から。1日2千個が上限。無料。検査キットの配布は、自己検査結果を一定期限内に県に報告することを要件とする。

 県は診療・検査医療機関の強化策として、未指定の医療機関などに対し、体制拡充を依頼しており、19日午後2時までに224医療機関から予約枠拡大などの対応が可能との回答を得ている。

 県内の1日当たりの新規感染者は7月初旬から、急増が続いている。17日には過去2番目に多い6547人の感染が確認された。これまでの1日当たりの新規感染者の最多は2月5日の7353人。1人の患者が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数は18日時点で1.278で、感染は依然として拡大傾向にある。

 19日の定例会見で大野知事は、現在の県内の感染動向を「検出される変異株は7月中旬までに『BA・5』が約8割、陽性者急増の主な要因の一つと考える」と現状を分析した。一方で、現在の保健所業務の逼迫(ひっぱく)具合については「現在のところボトルネック(妨げ)になっていない」とし、問題はないとみている。

 18日時点の確保病床使用率は38%(695人/1827床)、うち重症は4.7%(9人/191床)。重症化率は低いものの、使用率は上昇傾向にある。

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