コロナ警報の福井県、夏休み中の旅行や帰省を見据え福井駅前に臨時無料検査所

福井県内の新型コロナウイルス感染状況を説明する杉本達治知事=7月19日、福井県庁

 福井県は7月19日、独自の「感染拡大注意報」を「警報」に引き上げた。県内の多くの小中高校が21日から夏休みに入るが、県民の行動制限を求めない一方、旅行や帰省時の対策徹底を促した。同日から1カ月間、JR福井駅東口のアオッサ1階に臨時無料検査所を設け、積極的な利用を呼びかけている。

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 杉本達治知事は19日の会見で「できるだけ(旅行や帰省などの)2週間前までに3、4回目のワクチン接種を済ませ、医療機関の無料検査や臨時無料検査所で陰性を確かめてほしい」と要請。旅行や帰省後は1週間程度、高齢者ら重症化リスクの高い人と会うのは慎重に判断するよう求めた。

 今後の感染状況について、県健康福祉部の宮下裕文副部長は「ピーク時、1日千人を超えることも想定される」との見方を示す。自宅で経過観察する陽性者の急増に伴い、重症化の早期発見・治療を優先するため、県の陽性者・接触者サポートセンターが電話で健康状態を確認する期間を、重症化リスクのない人は現在の10日間から5日間に短縮する。待機期間は10日間で変わらない。県対策チームは「発症から5日でほとんどの人が改善する。自宅での経過観察者が入院に至るケースは非常にまれ」としている。

 19日は過去最多となる591人の感染を発表。いずれも軽症か無症状。感染経路は134系統に分かれ、新規は65系統と過去最多。このうち14系統が県外由来と推定される。家庭内の感染が4割程度を占めている。

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