スキー産業継承へ エッジ技術・工場増床し強化 上越市のエッジシステムズ

 スキー、スノーボードのエッジ製造を手掛けるエッジシステムズ(上越市長面)は、敷地内に工場を増床した。エッジ製造のオフシーズンに親会社のオギハラ工業(同市新保古新田)からの受注を強化して利益を拡大、本業の設備投資に充てる考え。増床部分の稼働は8月初旬の予定。投資額は非公表。

敷地内に工場を増床、受注の拡大を目指す

 工場は平屋建てで、延べ床面積約500平方メートル。設計・施工は笠原建設(糸魚川市)。オギハラ工業の主力商品であるスノーダンプの生産を念頭に、溶接ロボット1台を導入する。

 エッジシステムズは2019年、オギハラ工業の完全子会社として設立され、エッジ製造を手掛けていた市内企業を事業承継した。国内シェアは100%。8人だった従業員を14人まで増やして製造技術の承継を行い、冬季五輪をはじめ世界大会でも使用される高品質品を送り出している。吉川康一社長は「上越のスキー産業・文化を引き継いでいく。新たなチャレンジもしたい」と述べた。

 14年ソチ、22年北京と2度の冬季五輪に女子モーグルで出場した星野純子さん(長岡市出身)、02年ソルトレーク冬季五輪に男子モーグルで出場した下山研朗さん(湯沢町出身)が15日の工場完成祝賀会に出席。星野さんは「初めて(同社の)エッジを使ったとき、性能の高さに驚いた。北京五輪で無事に滑ることができたのは、このエッジのおかげ」と賛辞を送った。

エッジシステムズのスキーエッジについて語る星野さん(右)と下山さん

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