長崎ペーロン選手権中止 3年ぶり開催ならず コロナ感染拡大受け

中止決定を受けても最後の練習に臨む香焼・野母崎中チームのメンバーら=長崎市香焼町

 長崎ペーロン選手権大会実行委員会は20日、長崎港で31日開催予定だった選手権を中止すると発表した。新型コロナの感染拡大が理由。3年ぶりの選手権を待ち望んでいた選手らからは落胆の声が出た。
 過去2年はコロナ禍で中止。今年は中学、女性、職域、一般の4部門に計18チームが出場予定だった。例年に比べ参加チームが少なく、2日間ではなく1日のみの開催としていた。
 新型コロナの感染者急増に伴い、県は19日、感染状況を6段階で示すレベルについて長崎、佐世保両市を「2-Ⅰ」(警戒警報)から「2-Ⅱ」(特別警戒警報)に引き上げた。実行委は「2-Ⅱ」の場合、「中止または延期」と定めていた。
 前回、一般の部で優勝した野母崎チームの山崎聡監督は「中止は残念だが、『2-Ⅱ』は絶対条件。大会に向けて練習できたので、開催しようとしてくれた実行委には感謝しかない」。唯一の女性チームで今年で最後の出場にする予定だった福田東部BEAMSのキャプテン達木香菜子さん(24)は「最後は金メダルで終わろうと話していた。燃えきれない気持ち」と無念さをにじませた。
 中学の部で唯一出場するはずだった香焼・野母崎中チームは20日、中止が伝わっても最後の練習に臨んだ。市立香焼中PTAの江川奈美会長(48)は「今年は人集めに苦労した。来年はさらに大変だろう。ペーロンに興味のない子がますます増えるのでは」と継承の難しさを口にした。
 チームのキャプテンで同中3年の須賀大夢(ひろむ)さん(14)は「小学生からペーロンをしてきて、今回、練習できてとてもうれしく思う。ただ中学生のうちに出たかった」と残念がった。


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