かこさとし展 23日開幕へ開会式 県立美術館 子どもへの思い触れて

お気に入りのパンはどれ? 代表作「からすのパンやさん」の原画を見る園児たち

 日本を代表する絵本作家かこさとしさん(1926~2018年)の作品の魅力に迫る「かこさとしの世界展 だるまちゃんもからすのパンやさんも大集合!」が23日から、岡山市北区天神町の岡山県立美術館(岡山市北区天神町)で開かれる。開幕を前に、関係者を集めた開会式が22日、同美術館で行われた。

 戦後、セツルメント(社会事業)に取り組んだかこさんは、子どもたちに紙芝居や幻灯を披露していたのがきっかけで絵本作家の道へ。代表作の「からすのパンやさん」や「だるまちゃん」シリーズのほか、宇宙や自然などをテーマにした科学絵本も人気が高い。

 開会式では、松田正己山陽新聞社社長と伊原木隆太知事が「おおらかでユーモアあふれるかこ作品は、多くの人に愛された。展示を通し、絵本に込めた子どもたちへの思いに触れてほしい」などとあいさつ。特別協賛する医療法人社団・岡山純心会の前田計子理事長らを加えた5人がテープカットした。

 会場には絵本原画やスケッチ、写真パネルなど約170点を並べ、創作の軌跡をたどっている。ポエムこども園ひらつ(同楢津)とポエム保育園おかやま(同)の園児47人が招待され、素朴なタッチで描かれた「だるまちゃん」や香ばしい香りが漂ってきそうなパンの原画などに見入っていた。

 同展は同美術館、山陽新聞社主催。会期は8月28日まで。15日を除く月曜休館。

「かこさとしの世界展」の開幕に先立って行われた開会式で、テープカットする主催者ら

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