栃木県内新たに2184人感染 福田知事、行動制限の可能性示唆 新型コロナ

臨時記者会見で基本的な感染対策の徹底を呼び掛ける福田知事=22日夕方、県庁

 栃木県内では22日、新型コロナウイルスの新規感染者が計2184人確認され、3日連続で過去最多を更新した。2千人を超えるのは初めて。福田富一(ふくだとみかず)知事は同日、臨時記者会見を開き、「感染拡大が続いて病床使用率が上昇すれば(感染拡大防止と社会経済活動の)両立が困難になる」と述べ、感染状況次第で県民に行動制限を求める可能性を改めて示唆した。

 県内の累計感染者数は10万7988人となった。高齢者施設で療養していた80歳以上の女性1人の容体が急変して22日に死亡し、県内の死者は計285人となった。

 病院で病棟クラスター(感染者集団)が2件発生し、真岡市内で職員7人と患者3人、日光市内で職員3人と患者2人が感染した。

 新規感染者は10歳未満~90歳以上の男女。40代以下が78%を占め、20代が377人、30代が368人、40代が349人、10歳未満が307人などと続く。

 20~22日の新規感染者は計5772人に上り、第6波のピーク(2月15~17日、計3099人)の約1.9倍に達した。

 病床使用率は21日時点で28.6%。病床の逼迫(ひっぱく)に備え、県は24日から確保病床数を3段階で中間の「フェーズ2」(451床)に引き上げるが、最高の「フェーズ3」(548床)への引き上げも検討する。

 国は症状が軽く重症化リスクが低いと考えられる患者に、外来受診前に抗原検査キットを配布し自ら検査してもらう態勢を整備するよう都道府県に求めているが、福田知事は「別の疾病を見逃す恐れがある」とし、導入に慎重な考えを示した。症状がある人が診察を断られる事例が本県でまだないことも理由に挙げた。

 国の方針を受け、県も22日から濃厚接触者の待機期間を従来の7日間から5日間に短縮した。

 22日時点の入院者181人、宿泊療養者393人、自宅療養者(療養先調整中含む)9728人、重症者2人。

 【22日の市町別感染者数】

 宇都宮市868人、小山市178人、足利市127人、鹿沼市122人、栃木市113人、那須塩原市86人、真岡市85人、大田原市82人、佐野市80人、日光市62人、下野市52人、さくら市43人、上三川町41人、壬生町33人、矢板市29人、野木町27人、那須烏山市、高根沢町各19人、市貝町17人、益子町16人、那須町、芳賀町各11人、那珂川町、茂木町、塩谷町各8人、県外等39人

 

3日間の新規感染者数(公表日別)について
県内の新型コロナウイルス感染者数(22日発表分)

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