株主優待をお得にゲットできる方法とは?金融アナリストも保有した優待銘柄3選

個人投資家に絶大な人気を誇っている株主優待。優待目当てで投資を始めた、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はどのタイミングで持っていれば株主優待を得られるのか、またお得にゲットできる方法を紹介します。


そもそも株主優待とは

まず株主優待から投資する企業を探すのであれば、欲しい株主優待を探すことからスタートしましょう。今はネットで人気ランキングや、利回りのランキングもあるので参考にしてみてください。証券会社のページや、雑誌で探してみるのも良いと思います。

配当+優待の利回りをチェックすること、使う優待なのかということを考えることに加えて、業績が成長しているのか、財務はどうなのか、今後の成長性についてチェックすることも大切だと思います。

欲しい株主優待が決まったら、まずは銘柄ごとに株主優待をもらうために必要な株数が異なっているので、それをチェックしましょう。 100株以上購入すると株主優待がもらえる銘柄が多いのですが、1株で株主優待がもらえる銘柄や、200株、500株以上保有で株主優待がもらえる銘柄もあるのです。また保有株数や、保有期間によって内容や利回りが異なる優待も多くみられますので、確認しておく必要があります。

次に、その銘柄の株主権利が得られる「権利付最終日」をチェックします。配当金や株主優待を取得するためには、各企業が定めている権利確定日に株主として株主名簿に掲載されている必要があります。「○月優待銘柄」などと特集が組まれることもありますが、銘柄によって権利付最終日は異なり、株主権利を得るためには権利付最終日までに購入し、翌日まで保有している必要があるのです。

権利付最終日というのは株主優待の権利が発生する最終売買日のことで、権利付最終日までに株を購入し、その翌日である権利落ち日まで保有していると優待が受け取れます。権利確定日というのは、株主優待の権利をもらえることが確定する日のことです。証券会社の手続きなどによって、権利確定日の2日前(権利確定日を含む3営業日前)が権利付最終日となっており、それまでに株を購入しておく必要があるのです。

例えば6月末日が決算の銘柄の場合、2022年の権利確定日は6月30日(木)でした。権利付最終日である6月28日(火)までに買えば株主権利を得られ、権利落ち日である6月29日(水)以降に売却しても優待はもらえる、ということになります。

つまり、「権利付最終日までに株を購入して、その翌日まで持っておけば優待がもらえる」ということですね。人気のある優待銘柄では権利付最終日の前後で株価が大きく変動することもままありますのでご注意ください。

あとは株主優待が送られてくるのを待つだけです。株主優待の商品は自宅に届きますが、優待の権利が確定してから送られるまでタイムラグがあります。企業の公式サイトのIRページなどに発送される日が明示されているところもあるので、気になる方はご確認ください。

優待銘柄をお得にゲットする方法は?

ここまで通常の、株主優待をもらう方法をお伝えしました。ここからはお得にゲットできるやり方である「クロス取引」を解説します。ちょっとややこしい部分もあるかと思いますので、やってみたい方は集中して読んでみてください。

クロス取引というのは、買い注文と信用取引(※)の売り注文をセットで成行(なりゆき)注文することをいいます。権利付最終日にクロス取引をすると、買い注文で優待銘柄を現物で保有するので株主権利を得ることができます。そして、信用取引の売り注文では、権利付最終日の株価での取引となり、権利落ち日以降に現物で決済することになります。そのため、権利落ち日以降に優待目当てだった人が売って起きるであろう株価の下落に対してリスクヘッジができるということです。つまり、注文の手数料のみで株主優待がもらえる、というイメージでしょうか。
※信用取引:証券会社に現金や株式を担保として預けるかわりに、売買に必要な現金や株式を借りて行う取引のこと。

このクロス取引をするためには、信用取引で空売りができる貸借銘柄に指定されている必要があります。一般信用取引で売り建て可能なものであることを確認すること、信用取引の売り方が負担するコストである逆日歩に注意することが必要です。トライする際には調べてみてくださいね。すでに優待銘柄をお持ちで権利確定後に売りたいと考えている方は、信用取引の売り注文を利用した「つなぎ売り」を行うことで、権利落ち日以降の下落リスクに備えることができます。

また長い目でみるなら、権利落ち日以降に株価が下落したタイミングで株を買うという方法も覚えておくと良いでしょう。株主優待をもらえるタイミングは遅れてしまうことと、株価の変動は優待だけが要因ではないので、期待通りの値動きにならないこともありますので、そこはご注意ください。

金融アナリストも保有した優待3銘柄

最後に個人的に保有したことのある優待を一部、選んだポイントとともに紹介します。皆さんが優待銘柄を選ぶ際、どのような点に注目するかの参考になれば幸いです。

サンリオ(8136)

サンリオは、ソーシャル・コミュニケーション・ギフト商品の企画販売のほか、グリーティングカード、音楽、映像、図書、ライブエンターテイメントなどを展開。ハローキティ、マイメロディ、リトルツインスターズ、シナモロール、ぐでたまなど、人気の高いキャラクターを多数生み出しています。

株主優待は年2回。100株以上保有でサンリオピューロランド、ハーモニーランドの共通優待券3枚と、サンリオショップ、サンリオオンラインショップで使用可能な株主優待券1,000円分がもらえます。ピューロランド、ハーモニーランドに行く方なら優待利回りはかなり高く、株主だけがいける日もあるのでおすすめです。配当も出ています。3月、9月の優待銘柄です。

参照:サンリオ「株主・投資家の皆様へ」

イオン(8267)

大手流通グループ、イオングループを統括する企業で、全国にイオンモール・イオンショッピングセンターを展開しています。普段からイオンで買い物をされる方はぜひチェックしていただきたい優待です。

株主になると株主優待カード(オーナーズカード)がもらえるのですが、半期100万円までの買上金額に対し保有株に応じた返金率でキャッシュバックが受けられるのです。100株保有ですと3%返金となります。また毎月20・30日の「お客さま感謝デー」では感謝デーの5%割引特典と併用できます。1000株以上保有で2月末日に3年以上継続保有するとギフトカードも。ご家族カードも1枚もらえますので、イオン系列のお店が近くにある方は使い方次第でかなりの高利回りとなります。

参照:イオン「株主・投資家の皆さま」

すかいらーくHD(3197)

ガストやバーミヤン、ジョナサン、夢庵などの飲食チェーン店を展開する企業ですが、グループ店舗で使える優待食事割引カードが100株保有で半年に一度2,000円相当 、保有株数ごとにもらえる金額が上がり、1,000株保有だと17,000円相当もらえます。

参照:すかいらーくHD「株主・投資家情報」

株主優待といっても、その内容はその企業によってさまざまであることがわかります。なお、どの銘柄も優待内容が変更になることもあるので、気になった銘柄や、実際に保有している銘柄の最新情報をチェックするようにしてください。

7月18日週「相場の値動き」おさらい

7月20日(水)、21日(木)の日銀金融政策決定会合では、現状の大規模緩和の維持を決定しました。

7月22日(金)の日経平均は、前日比111円66銭高の2万7,914円66銭と小幅に7営業日続伸。7月15日(金)の日経平均株価は、前日比145円08銭高の2万6,788円47銭でしたので、週間では1,126円19銭の上昇となります。

来週7月25日週は、7月26日(火)、27日(水)のFOMCに注目です。

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