コロナ感染要因「家庭内」最多 長崎県データ分析 夏休みは無料検査活用を

県内の新型コロナ感染状況(7月12~18日)

 全国的に急拡大している新型コロナウイルス感染症。長崎県内では20日から3日連続で新規感染者が1500人を超え、病床使用率は4割に迫る。県が公開しているデータなどを基に流行第7波の現状を分析した。

 ■ 感染者・病床 
 22日までの1週間の感染者数は7755人(前週比約1.6倍)で1日平均で千人を超えている。入院者数は22日時点で204人、病床使用率は35.8%。ただ、現在、確保できている病床に対する使用率は54.4%と高く、中でも県南77.1%、上五島71.4%、長崎64.4%の各医療圏は高い水準となっている。
 県の集計によると、20日時点の入院者の75.2%が60歳以上。オミクロン株の重症化率は、60歳未満が全国0.03%、県内0.01%。ただ、60歳以上は全国2.49%、県内0.8%で、60歳未満に比べ大きく跳ね上がっている。

 ■ 要因・クラスター
 12~18日の感染要因別の内訳(不明などを除く)は「家庭内」が57%で最多。学校、児童福祉施設(放課後児童クラブなど)を合わせると8割近い。一方、過去の流行で要因の上位だった飲食は2%にとどまっている。同期間で発生したクラスター(感染者集団)のうち、学校と児童福祉施設が6割を占めた。

 ■ 年代別 
 14~20日の年代別割合は10歳未満が21%で最多。10代16.3%、30代15.8%と続く。一方、重症化率が高い60代以上は13.7%(847人)だった。

 ■ 無料検査 
 県は、換気や手洗い、適切なマスクの着用など基本的な感染対策に加えて検査も重視。感染に不安を感じる無症状の県内在住者(濃厚接触者を除く)を対象にした無料検査を8月31日まで実施している。ホームページ(HP)に検査機関を掲載。各機関のHPから予約ができる。専門家も「夏休みは日頃、会っていない人と接する機会が増える。特に高齢者と会う場合は検査で陰性を確認してほしい」と要請する。

 ■ 受診・検査 
 県は感染拡大を防ぐために体調が少しでも悪い場合は、外出・登校・登園を控え、すぐに医療機関に電話で相談するように呼びかけている。24時間対応の電話相談窓口として受診・相談センター(電0120.071.126)を開設中。このほか、発熱などの有症状者の診察・検査が可能な医療機関を、県のHP上で検索できる「診療・検査医療機関検索MAP」の運用を20日から開始。地図上に表示される医療機関を選ぶと、住所、電話番号、診察可能な曜日や時間が表示される。

県が運用を始めた新型コロナの「診療・検査医療機関検索MAP」

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