<高校野球>序盤猛攻7得点 花咲徳栄7回コールド10―2で4強入り 雪辱期した川越東下す/準々決勝

花咲徳栄―川越東 1回表花咲徳栄2死二塁、柴田が先制の左越え2ランを放つ。捕手白水=レジスタ大宮

 一回、2死から3番藤田が二塁打を放つと、続く柴田が真ん中に甘く入ったストレートを振り抜き、先制の左越え2ランを放った。公式戦初本塁打で流れを引き込んだ柴田は「ようやく前半から勢いがついた。チームの良さを引き出すのに貢献できてうれしい」と胸を張った。

 準々決勝までの4試合は後半に点を重ねて勝ち上がったが、この日は岩井監督が「徐々によくなってきた」という打線が序盤からつながった。狙い球を絞ってしたたかに塁上を埋め、前半から畳みかける勝負強さも戻ってきた。

 先発のエース金子は生還した女房役柴田に「ナイスバッティング。ここからゼロに抑えよう」と声をかけてマウンドに上がると、一回1死一、三塁の危機を連続三振でしのいだ。

 立ち上がりに不安を抱えていた金子だが、上体を上げずに投げられるようにフォームの修正を重ね、5回を無失点。打っても二回の左越えソロを含む4安打3打点と自らを援護し、「投手も9人のうちの1人。点に絡めてよかった」と笑顔を見せた。

 埼玉に深紅の大優勝旗をもたらした2017年を含め、15年から5年連続で夏の甲子園を経験している花咲徳栄。3年ぶりの準決勝では、県大会5季連続優勝を狙う浦和学院と激突する。

 全国制覇に向けて気炎を上げる大本命に引導を渡すべく、「次は絶対に勝ち上がらなければ。思い切ってやっていく」と言葉に熱を込める岩井監督。上田主将も「甲子園に行くには浦学を倒さなければいけない」と強い闘志をにじませた。

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