コロナの健康確認は高齢者らに限定 感染急増の福井県、ショートメールで情報聞き重症化リスク判断

新型コロナウイルスの感染者が急増し、会話時のマスク着用など感染対策の徹底を呼び掛ける福井県担当者=7月23日、福井県庁

  新型コロナウイルス流行「第7波」の政府の追加対策を受け、福井県は7月23日から、自宅での経過観察期間に電話で健康状態を確認する対象者を、65歳以上の高齢者や基礎疾患のある人など重症化リスクの高い感染者に絞った。リスクが低い人には症状が悪化した場合の連絡先を伝え、待機期間中の連絡は取りやめた。

 これまでは各保健所や県の陽性者・接触者サポートセンターが電話で健康確認する期間を、重症化リスクが高い人は10日間、低い人は5日間としていたが、感染者の急増で連絡が滞るケースも生じていた。感染者の待機期間は10日間で変わらない。

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 県内では23日、新規感染者939人が確認され、5日連続で過去最多を更新。自宅観察者は5565人に上った。

 政府は22日に示した追加対策で、重症化リスクが低い患者の健康観察は症状悪化のときだけにすることも可能と各都道府県に通知した。

 福井県によると、これまで同様、全ての感染者に対し、症状が悪化したら日中は同サポートセンター、夜間は各保健所に連絡するよう電話で説明する。その上で、今後はスマートフォンや携帯電話のショートメール機能を使って勤務先や学校、家族構成、基礎疾患の有無などの基礎情報を収集し、重症化リスクの程度を判断する。ショートメールが使えない人には電話で聞き取る。

 重症化リスクが高いと判断された感染者への電話は、従来と同じく経過観察期間中、毎日行う。

 政府の追加対策ではこのほか、濃厚接触者の待機期間が7日間から5日間に短縮された。感染者の家族を中心とした待機中の濃厚接触者は県内で7047人に上り、福井県対策チームは「待機期間短縮の連絡が追い付かない恐れもある。22日以前に濃厚接触者に特定された人は、保健所から告げられた期間を2日間短縮して待機を終えてほしい」と呼びかけている。

 発熱外来の混雑を防ぐために医療機関で検査キットを各自治体の判断で無料配布できるという追加対策については、福井県と福井県医師会で今後協議する考え。

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