日本で「サル痘」感染初確認 東京都の30代男性 サル痘の症状、潜伏期間は

 欧州などで患者の報告が続くウイルス感染症「サル痘」について、東京都の30代男性の感染が確認されたことが7月25日、政府関係者への取材で分かった。国内での感染確認は初めて。

 厚生労働省は25日、記者会見を開き概要を説明した。感染が判明した30代男性は発熱、発疹、頭痛、倦怠感の症状があり7月25日に医療機関を受診。欧州に渡航歴があった。現在は入院しており、症状は安定しているという。感染経路や濃厚接触者は調査中としている。

 厚労省のホームページによると、サル痘は1970年にザイール(現在のコンゴ民主共和国)で人での感染が初めて確認された。潜伏期は通常7日~14日間。発熱や頭痛、リンパ節腫脹などの症状が0~5日程度続き、発熱して1~3日後に発疹が出現する。皮疹は顔面や四肢に多く出現し、徐々に水疱、膿疱、痂皮となる。

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 多くの場合は2~4週間続き、自然軽快する。ただ、小児例や曝露の程度、健康状態、合併症などで重症化することがあるという。皮膚の二次感染や気管支肺炎、敗血症、脳炎、角膜炎などの合併症を起こすこともある。

 2022年5月以降の欧米を中心とした流行では、発熱やリンパ節の腫脹などといった前駆症状が見られない、病変が会陰部、肛門周囲や口腔など局所に集中するなど、従来とは異なる徴候も指摘されている。

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