海水浴客から「イルカにかまれた」の報告1日で6件 福井県の越廼海水浴場、看板設置し注意呼びかけ

海水浴客にイルカに触らないよう注意を呼びかける看板=7月25日、福井県福井市蒲生町の越廼海水浴場

 福井県福井市蒲生町の越廼海水浴場で7月24日、海水浴客からイルカにかまれたとの報告が6件あり、けが人も出た。同海水浴場運営協議会や福井市は25日、イルカが苦手とされる超音波の発信器の設置準備を始めた。市の担当者は「イルカを見かけても触らないようにしてほしい」と注意を呼びかけている。⇒野生のイルカに「絶対に近づかない」専門家警告

 市によると、イルカは4月下旬ごろから同市越廼地区や鷹巣地区で頻繁に目撃されており、浅瀬付近に寄ってくるケースもあるという。越前町の海水浴場でも目撃情報がある。

 越廼海水浴場運営協議会には、9日の海開き以降、遊泳エリアでイルカにかまれたという報告が25日までに少なくとも10件寄せられている。ほかにイルカと接触した事例も複数あった。

 24日夕方ごろに家族で訪れた福井市の男性は、水深1メートルほどの浅瀬でイルカに両手を複数箇所かまれ、流血するけがを負った。男性の妻は「気が付くとイルカが横にいた。(夫の)無数の傷跡は腫れ上がっていた。もっと大きなけがをしたり、子どもが被害に遭ったりする危険性があった」と十分な注意喚起を求めた。

 25日に友人家族と訪れたという同市の男性(39)も「イルカと子どもが接触し、助けようと思ったときに足をかまれた」と話した。

 越廼海水浴場では、看板などでイルカに触らないよう呼びかけているものの、ツイッターなどの交流サイト(SNS)で「イルカと触れ合える」といった投稿が相次いでおり、親が子どもにイルカを触らせて写真を撮る際にかまれるケースもあるという。

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 鷹巣海水浴場では8日の海開きから、超音波発信器を沖合のブイに設置している。越廼でも近く設置し、海水浴客への啓発を強化する。

 坂井市三国町の越前松島水族館によると、イルカは身体能力が高く、体当たりされると最悪の場合は死亡する可能性もあるとして「決して近寄らず、近づいてきたら真っ先に逃げて」と警鐘を鳴らしている。

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