「入院が賄いきれない」「どこも満床いまが一番厳しい」感染爆発で医療ひっ迫 綱渡り続く病院・保健所はいま

藤枝市立総合病院(静岡県藤枝市)では、主に新型コロナの重症、中等症の患者を受け入れています。爆発的な感染の拡大を受け、入院患者も増え、病床使用率は最も高い時で70%まで達しました。

<中村利夫 院長>

「最近では、静岡市内の患者さんの増加が顕著で、静岡市内だけでは入院が賄いきれないという事で、志太榛原区域に転送できないかというご依頼が先週から続いている」

医療のひっ迫を解消するためには、病床を増やせばいいと考えがちですが、実情は、そう簡単なものではありません。

<中村利夫 院長>

「(濃厚接触者など)現在勤務できていない看護師さんが10数名います。コロナ病床を増やして、それに充てるとなると効率的なコロナ病床の運用を考えていかないといけない」

ベッドを増やしても看病しきれない。医療機関は患者の急増とスタッフ不足のはざまで苦しんでいます。

綱渡りの業務が続くのは、保健所も一緒です。

「はい、静岡市保健所です」

静岡市保健所では、新型コロナに感染した市民や医療機関などからの問い合わせをおよそ70人態勢で受け付けていますが電話は鳴りやみません。

<静岡市保健予防課 杉山智彦 課長>

「受診が必要な方が増えているので比例して電話での問い合わせが増えています」

さらに厳しい対応を迫られているのが、患者の入院先を調整する部署です。

「もし空いていればご相談したいんですけど…」

連日、新規感染者が1000人を超えている静岡市ですが、入院患者を受け入れられる医療機関はそれほど多くありません。

<静岡市保健予防課 杉山智彦 課長>

「コロナはどこも満床で入院調整苦労している。夜間は特に困難」

医療の崩壊を回避するため、静岡市の保健所は7月29日、新たにユーチューブで動画を公開。注意点について呼びかけています。

<静岡市保健所 田中一成 所長>

「今が一番厳しいと思っている。高止まりすると厳しいので予防に努めてほしい」

新型コロナの感染のピークはまだ読み切れない上、入院が必要な重症患者は遅れて発生する傾向があり、医療機関や保健所にとっては大変な日々が続きそうです。

© 静岡放送株式会社