落雷、停電で踏切誤作動か 44歳運転の軽乗用車、秩父鉄道の列車と衝突 目撃者「遮断機開いていた」

秩父鉄道上長瀞駅―親鼻駅間の踏切で発生した列車事故=28日午後7時ごろ、埼玉県皆野町下田野(住民提供、写真は一部加工しています)

 28日午後6時ごろ、埼玉県皆野町下田野にある、秩父鉄道の踏切で羽生駅発三峰口駅行き普通列車(3両編成)と軽乗用車が衝突する事故があった。車を運転していた秩父市の男性(44)が胸を打つなど軽傷を負ったが、命に別条はない。秩父署と秩父鉄道は事故原因を調べている。

 秩父署によると、現場は警報機と遮断機のある踏切。列車が上長瀞駅から親鼻駅に進行中、踏切左側に停車していた軽乗用車と衝突し、列車の車体前方と車の右側後部が衝突した。乗員乗客にけがはない。事故を目撃した男性は「電車が通過する前に遮断機が開いていた」と証言しているという。

 秩父鉄道運転課によると、同列車には約70人が乗車しており、事故現場で約90分間停止。その後、上下線計約30本に遅れと運休が生じ、乗客約2千人に影響が出た。

 この日は県北部を中心に、大雨や雷が発生し、近隣の家庭では一時、停電が起きていた。秩父鉄道は、落雷や停電の影響で踏切が開いてしまった可能性も含めて事故原因を調査している。

 29日は終日、現場の踏切に鉄道係員が立って、安全点検を行った。

© 株式会社埼玉新聞社