くるま橋遺跡出土銅造阿弥陀如来坐像 栃木県有形文化財に

「くるま橋遺跡出土銅造阿弥陀如来坐像」(県教委提供)

 栃木県文化財保護審議会(新井敦史(あらいあつし)会長)は29日、県埋蔵文化財センター所蔵の「くるま橋遺跡出土銅造阿弥陀如来坐像」を県有形文化財に指定することが適当とする答申を決めた。県教育委員会定例会に近く答申し、指定されれば県指定有形文化財(考古・歴史資料)は42件になる。

 同像は、真岡市石島の同遺跡から出土した高さ8.9センチの鋳銅製の小像。背を反らして足を組む珍しい姿をしている。技法や表現の特色から、平安時代でも9世紀末〜10世紀前半を中心とする時期に作られた可能性が高いとされる。

 審議会は出土状態や、優れた作風表現と高い技術で作られた優品である点などを評価し「古代の当地方での仏教信仰の様子を知る貴重な資料」としている。

 同像は、那珂川町なす風土記の丘資料館「栃木の遺跡」展で8月28日まで展示されている。

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