パンになっても「男気」健在 フジパンと桶川の手島農園コラボの「スナックサンド男気トマト」県内外で発売

「スナックサンド男気トマト」のパッケージのサンプルを手にする手島さん=埼玉県桶川市川田谷の手島農園

 埼玉県桶川市の手島農園のブランドトマト「男気トマト」がパン・菓子の製造販売大手のフジパン(本社・名古屋市)とコラボし「スナックサンド男気トマト」として1日から、スーパーやコンビニで限定販売される。販売地域は県内をはじめ、関東、東北、静岡県の一部。フジパンが個人農園とタッグを組むのは初めて。

 「男気トマト」は同農園の手島孝明さん(46)が化学肥料を使わず有機肥料のみで、植え付け時以外は水を一切与えない無潅(かん)水栽培を考案し昔ながらの味を実現させた。近年では、ソーシャルメディアやテレビ番組などで人気を博し、直売所では長蛇の列ができるほど。

 今年3月、フジパンからオファーを受けた手島さんはまず物量の確保に頭を抱えたという。既に通販でトマト約200件、トマトジュース約100件の予約が入っていたからだ。「そこを削ってまでは出せないと思った」と手島さん。しかし設備の改良や換気幅の拡大、遮光、循環扉を導入するなど栽培期間を延ばす策を講じ、通常は6月末までの収穫を7月下旬まで引き延ばすことに成功。猛暑と予想外の早い梅雨明けというアクシデントはあったものの何とか納品を完了させた。

 出来上がったスナックサンドは、濃厚なトマトの味を生かし、卵と組み合わせて作ったソースフィリング(中身)をやわらかいパンで包んだ。「洋食屋のオムレツ」をイメージさせる仕上がり。

 試食した手島さんは「トマト感が強く、卵とのマッチングが抜群。うちの濃厚なトマトの味を十分に味わえる。トマトのシーズンは終わっても姿を変えて登場できた」と大満足。フジパンマーケティング部は「特別なトマトとコラボしたことで、スナックサンドをより多くの方に知ってもらえれば」と期待している。

 「スナックサンド男気トマト」は9月末までの限定販売。参考価格は税込み161円。

濃厚なトマトと卵がマッチングした「スナックサンド男気トマト」(フジパン提供)

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