J1浦和3連勝、上位うかがえる8位に 加入後ホーム初ゴール岩尾、共に悩んだ関根と喜び 先頭に立つ覚悟

30日の川崎戦で加入後初得点を決めた岩尾=31日、さいたま市内

 浦和は7月30日の川崎戦に3―1で勝利し、今シーズン初の公式戦3連勝を達成した。8試合負けなしを継続し、上位をうかがえる8位につけている。31日は、ファン・サポーターに練習を公開。浦和のメンバーシップREXクラブの会員4151人の応募から抽選で選ばれた75組が、選手たちの練習を見守った。

■苦悩越え本領発揮へ/岩尾

 2018年以来となるリーグ戦での川崎戦勝利。松尾の加入後ホーム初ゴール。知念の加入後リーグ戦初スタメン。ユンカーの5戦ぶり復帰など、話題がたくさんあった30日の試合だが、岩尾のチーム3点目が勝ち点3を盤石なものにした。

 徳島所属時代からロドリゲス監督の戦術を知る選手として、今季浦和に加入した岩尾。大きな期待を受けたが、チームは低迷。「考えてしまう性分なので、いろいろ考えさせられることがあった」と、悩んだ日々もあったという。

 5月25日の敵地C大阪戦で0―2の敗戦。7戦引き分けが続いた浦和には痛い黒星だった。「どうしたらいいんですかね」。試合後には、一緒に副主将を務める関根と2時間話し合ったという。ともに年長者として、若手が多いチームで先頭に立つ覚悟を強く持つ。

 川崎に1―2と追い上げられた後半40分。右サイドの関根からのクロスを中央に走り込んだ岩尾が左足で合わせた。「難しい展開にもなりやすい状況だった。大きな1点だった」。勝利を決める得点は、浦和での初ゴールだった。「関根選手のパスから決められたのはうれしかった」と、得点後にはかつて悩みを共有した関根と喜びを分かち合った。

 チーム内のバランスを常に考え、得意のフィードでも好機を演出。持ち味を発揮できる環境が整い、存在感を増す。「難しかったバランスも、葛藤していたからこそ取れ始めた感覚はある。苦しんで良かったとも思う」。実直で謙虚な背番号19。苦悩を乗り越え、赤のユニホームが似合う選手になった。

© 株式会社埼玉新聞社