深夜の路上に迷子 交番で無言の4歳児に女性が利かせた機転 自宅割り出す

片山署長から感謝状を贈られた佐藤さん(右)=鶴見署

 迷子の男児(4)を保護したとして、鶴見署は7月29日、横浜市鶴見区在住で公益財団法人職員佐藤なぎささん(34)に感謝状を贈った。

 6月10日午後9時50分ごろ、帰宅途中だった佐藤さんは目を疑った。パジャマ姿の男の子がこちらに向かって歩いてくる。不安げに周囲を見渡してもいた。

 「どうしたの?」。声を掛けた。聞けば、自宅で目が覚めると母親の姿が見当たらず、家を飛び出して探すうち、道に迷ってしまったという。

 駅前に交番があることを思い出した佐藤さん。「お巡りさんの所に一緒に行こう」。男児を安心させるために手をつなぎ、家族の話をしながら駅前へと急いだ。

 交番に着くと、それまでのおしゃべりとは一転、黙り込む男の子。制服姿の警察官に緊張してしまったのか、自分の氏名も言えなくなってしまった。「この公園で遊んだことはある?」。佐藤さんは機転を利かし、自宅につながる情報はないか、スマートフォンで画像を検索しては男児に見せ、自宅マンションを割り出した。

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