お試し住宅で田舎暮らし体験を 久米南の住民団体 CFで資金募る

購入を計画する空き家と、コンシーデレ山手のメンバー

 岡山県久米南町山手地区の住民団体・コンシーデレ山手は、移住希望者が田舎暮らしを一定期間体験できる「お試し住宅」の建設プロジェクトを計画している。地域の魅力を知ってもらい、活性化につなげるのが狙いで、空き家の購入などにかかる資金の一部をクラウドファンディング(CF)で募っている。

 山手地区は、標高300メートルほどの山あいにある人口約120人の小さな集落。年々進む過疎化の波にあらがおうと、住民有志が2015年、移住・定住者を増やすための任意団体を設立した。コンシーデレはラテン語で「定住」を意味する。

 県内有数のブドウ産地をPRして新規就農者を呼び込もうと、町や生産者団体と連携。住む場所を確保するために空き家を整備したり、地域の魅力を内外に発信するフォトコンテストや夏祭りを開いたりしている。

 「お試し住宅」は、移住希望者に地域の魅力を肌で感じてもらおうと計画。事業の第1弾として、空き家を土地ごと購入し、老朽化した家屋を解体、さら地にするまでの資金の一部400万円をCFで募ることにした。

 山本祐一代表(70)は「移住者を増やし、高齢化が進む山手地区を活性化させたい。そのきっかけとなる『お試し住宅』の実現に向け、力を貸してほしい」と呼び掛ける。

 CFは山陽新聞社や中国銀行などが運営する「晴れ!フレ!岡山」のサービスを利用し、9月16日まで募集する。詳細や支援は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/88826)。

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