<大宮セブン>あっぱれ!大宮のお客さん 「スベっても辛抱強く…」客席から芸人操縦説も/すゑひろがりず

すゑひろがりずの南條庄助さん(左)と三島達矢さん=埼玉県さいたま市大宮区の大宮ラクーンよしもと劇場

 ―大宮セブン加入までの経緯を。

 南條 元々は大阪で活動をしていまして、デビューから1年間は普通の漫才をしていました。2012年くらいから着物を着て伝統芸能風の今の形の漫才となり、14年に東京へ。セブンには入っていなかったのですが、大宮の劇場にはちょこちょこ出演をしていました。

 三島 18年に当時のセブンメンバーの先輩が抜けることになり、その穴を埋めるために僕たちに声がかかかることに。とてもうれしかったのを今でも覚えています。

 ―加入当初のまちの印象や思い出は。

 南條 大宮のまちの雰囲気は大阪の感じと空気感が似ているなあと。僕たちは大阪ミナミで活動していたので、とても居心地が良いと感じましたね。また、当時のメンバーは漫才師とコント師はそろっていたのですが、色物のメンバーがいなかったのです。着物姿の「めでたい感じ」が、老若男女に向いていると判断していただきまして、外回りの担当として呼んでもらった部分もあったので、いろいろなところに行かしてもらいました。

 三島 鉄道博物館や盆栽まつり、この劇場の路上でイベントをやったこともありますね。さまざまな人にお世話になったのですが、スーパーオートバックス大宮バイパス店さんは、僕たちに仕事がないときから「うちでやったらいいじゃん」と言って仕事に呼んでくれたことも。本当にありがたいことです。

 ―大宮セブンの公演に集まるお客さんの感じは。

 南條 全体を通して明るくて、何をしても受け入れてくれる。お客さんが僕らを操縦してるんじゃないかと思うこともあります。お客さんには埼玉県民でない方もいると思うのですが、僕の持つ埼玉県民の印象って、自分たちで自分をいじることができる面白味のある人なんですね。だからこそなのかなあと。

 三島 スベっても辛抱強く見てくれるというか。「やばいぞ!」という空気感には絶対にならないのですよね。だからこそみんな楽しくやっていける。

 ―具体的なエピソードを。

 三島 市民会館おおみやで行ったライブで、GAGのひろゆきさんとコマンダンテの安田が相撲を取ったんです。そろそろウケなくなるかなと様子をうかがっていたのですが、結局30番近く相撲を取りまして。お客さんは、終始笑ってくれていました。

 ―大宮セブンの良さはどんなところ。

 南條 実力のない人たちがおふざけしているわけではなく、お笑いの賞レースの優勝者やファイナリストたちが全力でふざけている。本来そんなことをしなくてもいいのでしょうが、ライブでは服を脱がされるコーナーだってある。嫌がる芸人だっているのですが、脱げる人たちなんですね。そこが強みですね。

 =終わり=

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 すゑひろがりず NSC大阪28期生の南條庄助さんと三島達矢さんのコンビ。2018年に大宮セブン加入。M―1グランプリは16年に準々決勝、19年に決勝進出。

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 大宮セブン 笑いの聖地を「大阪」から「大宮」にすべく、大宮ラクーンよしもと劇場(さいたま市大宮区)を主な活動拠点としている、吉本興業所属のお笑い芸人7組で構成する集団。今春からテレビ埼玉などで初冠番組「それゆけ!大宮セブン」が放映されている。

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 「それゆけ!大宮セブン」は、テレ玉で毎週火曜日午後11時半から、BSよしもとで毎週水曜日午後11時から放映中。

すゑひろがりずの南條庄助さん
すゑひろがりずの三島達矢さん

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