脱炭素へ期待感大 糸魚川市に新姫川第六発電所が竣工 黒部川電力

 黒部川電力(本社・東京都)が建設を進めてきた水力発電所、新姫川第六発電所(新姫六、糸魚川市小滝)の竣工(しゅんこう)式が2日、行われた。同発電所は4月から営業運転中。出力は2万7900キロワット。

営業運転中の新姫川第六発電所

 同社は糸魚川市に拠点工場を置くデンカ(本社・東京都)と北陸電力(本社・富山市)の共同出資会社。3社は新姫六の営業運転開始により、年間4万1000トンの二酸化炭素(CO2)削減効果を見込む。黒部川電力の平井修一社長は「再生可能エネルギーとしての水力発電に注目が集まっている。水力発電は当社にとって欠くことのできない使命であり、今後も新たな発電所の設置検討を進めていく」と述べた。デンカの今井俊夫社長は「当社が掲げる2050年カーボンニュートラルの達成には、新姫六は欠くことのできない存在」として、安全かつ安定的な発電に期待した。

「今後も新たな水力発電所の設置検討を進める」と述べた黒部川電力の平井社長

◇3年8カ月、延べ13万人 所期の目的達成
 同発電所は再生可能エネルギーの拡大を目的に事業化され、2018年8月に本格着工。全長4・5キロの導水管工事は軟弱地盤と硬質な地盤が入り交じっているため、鹿島建設(本社・東京都)などが開発した最新型掘削機を投入。完成までの3年8カ月に延べ13万人が工事に携わった。鹿島建設の天野裕正社長は「施工各社は山紫水明を損なうことなく完成させることを使命として取り組み、所期の目的を達することができた」と述べた。 
 式典には糸魚川市の米田徹市長や糸魚川商工会議所の髙瀬吉洋会頭の他、内水面漁業関係者や地元関係者も出席した。

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