<新型コロナ>救急搬送困難なケース最多…さいたま市 搬送先を探す救急隊、現場滞在3時間超も 迷ったら

新型コロナ、埼玉県さいたま市で救急搬送困難が最多更新

 さいたま市消防局の救急搬送困難事案が、先週の7月第4週は233件となり、過去最多を更新した。これまでの最多は新型コロナウイルス第6波の2月第3週の214件だった。コロナの感染急拡大と熱中症患者の救急搬送要請の増加が要因としている。

 救急搬送困難事案は、搬送先を見つけるまでに、医療機関への受け入れ照会が4回以上で、現場滞在時間が30分以上の場合と定義されている。市消防局救急課によると、猛暑日が続いた6月27日の週が111件、7月4日の週が87件、同11日の週が141件、同18日の週が199件、同25日の週が233件だった。

 7月下旬の事例では、高齢者施設の入所者が発熱や嘔吐(おうと)などのため救急要請を受け、ベッド満床や他の患者への対応などで医療機関への受け入れ照会が35回、現場滞在時間が3時間5分だった。コロナは陰性だった。

 市消防局は救急車30台を運用しており、「厳しい状況は続くが、救急搬送体制の確保はできている」としている。一方で、搬送患者の軽症事案は、第6波の2月が平均50.2%、第7波の7月は平均60.3%だった。担当者は「迷ったときには、看護師が電話相談に応じる全国共通ダイヤル♯7119に連絡してほしい」としている。

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