ラグビー女子日本、南アに敗れる アルカス熊谷メンバーら存在感、主軸の鈴木彩香も前向く 痛感した反省点

日本―南アフリカ 後半、鈴木彩香が突破する

 ラグビー15人制女子のテストマッチ第2戦が30日、熊谷ラグビー場で行われ、日本代表(世界ランキング12位)は南アフリカ代表(同13位)に10―20で敗れた。埼玉県熊谷市を拠点に活動するアルカス熊谷の主軸で、3年ぶりの代表選出場となったCTB鈴木彩香は「正直言って自分にがっかりしている。ホームの熊谷で応援に来てくれた大勢のファンに勝利を見せることができなかった」と悔しさをにじませた。

 24日の南アとの第1戦は15―6で逆転勝ちしたが、第2戦は先制トライを奪ったものの、体格で上回る相手のパワーとスピードに劣勢を強いられ、3トライを献上。持ち味の展開ラグビーもパスミスが重なり、後半の反撃も終了間際の1トライにとどまった。

 後半12分から出場した鈴木彩は「あのパスが通ればトライにつながるシーンが何度もあった。責任を痛感している。攻撃を仕掛けた時のコネクション、コンタクトが来た時のボール継続がうまくいかなかった」とベテランらしく、冷静に敗因を分析した。

 女子ラグビー界をけん引するアルカス熊谷からフランカー長田いろは、SH阿部恵、WTB黒木里帆が先発出場。後半途中から鈴木彩のほか、ロック吉村乙華がピッチに立ち、それぞれが存在感を発揮した。5選手の名前が入ったタオルを掲げるファンたちも、最後まで力強い声援を送り続けた。

 10月に開幕する女子ラグビーワールドカップ(W杯)ニュージーランド大会へ向け、チームは8月にも国内で、格上のアイルランドとテストマッチ2試合を戦う。

 鈴木彩は「みんな敗戦に落ち込んでいたけど、試合後は選手自身が具体的な反省点を話し合っていた。チームがステップアップする中での負け。ここから成長していく雰囲気がある」と秋の本番に向け、前を向いた。

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