被爆77年の「原爆の日」 広島で祈りの一日始まる

8月6日…。広島は被爆から77年となる「原爆の日」を迎えました。

爆心地に近い広島市の平和公園には、夜明け前から多くの人が訪れ犠牲者を追悼しています。

RCC

両親が被爆(71)
「平和への歩みのささやかな一歩ですけど、こうして原爆の日にお参りする」

被爆者(78)
「それぞれの立場はあるんでしょうけどやっぱり核兵器はなくしてほしい」

被爆者(79)
「戦争は絶対嫌だからしたくないという気持ちと、みんな大変だったねという気持ちでお祈りしています」

被爆者(95) 友人を原爆で亡くす
「大のお友だちのことばかり、今でも頭から離れません…。さぞ熱かっただろう。もうかわいそうでなりません」

全国の被爆者の人数はことし3月末時点で初めて12万人を下回り、11万8935人になり平均年齢は84.53歳となりました。被爆者の高齢化が一段と進む中、被爆体験の継承はあらためて大きな課題となっています。

RCC

ことしの平和記念式典は、「被爆者・遺族席」に加えて、去年は設置されなかった「一般席」も設けられ、あわせて3500人余りの参列が予定されています。

式典には国連のグテーレス事務総長のほか、100を超える国の大使なども参列する予定です。

「平和宣言」で、広島市の松井一実市長は、ロシアによるウクライナ侵攻で罪のない市民の命や日常が奪われていることに言及します。武力によらず平和を維持するという理想の追求を放棄することは、人類の存続を危うくすることだとしたうえで、一刻も早く全ての核のボタンを無用のものにしなくてはならないと訴えます。

そして、ロシアの文豪トルストイによる「他人の不幸の上に自分の幸福を築いてはならない」という言葉を引用します。

広島はきょう一日、祈りに包まれます。

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