埼玉屈指のソバ産地・三芳で開催されるソバ教室、栽培から手打ちまで体験 農と食つなぐ取り組みに感動の声

店主らに教えてもらいながらソバをこねる参加者=3日午前、三芳町上富のそば店「富」

 ふじみ野市蕎麦商組合有志の店主らが教えるソバ栽培と手打ち教室が3日、埼玉県三芳町上富のそば店「富」で開かれた。市民ら15人が参加し、自分で種まきから育てたソバを手打ちして味わった。

 同組合では地産地消と食育を推進しようと、10年前に「農と食(店)をつなぐプロジェクト」として、ソバの自家栽培を開始。3年前から一般の参加者を募って一緒に栽培に取り組んできた。農家、店、客がソバ栽培を通じてつながるのが大きな特徴。今年は4月下旬に同店が管理する約100坪の畑に種をまき、除草や花見を経て、約38キロのソバを収穫した。

 最終日の手打ちそば教室は2組に分けて実施し、店主ら6人がほぼマンツーマンで教えた。そば粉10割に小麦粉2割を混ぜた「外二」と呼ばれるそば打ちに挑戦。粉に水を入れて混ぜる、手でこねる、麺棒で薄く伸ばす、包丁で切るといった一連の工程を体験した。参加者が手打ちしたそばは1人分ずつ同店の大釜でゆでられ、自家栽培したナスやカボチャの天ぷらを添えて出された。

 ふじみ野市の会社員宮本礼子さん(46)は、「種をまいてからあっという間だった。3カ月でこんなにおいしく生まれ変わるとは」。父の西潟信一郎さん(80)は=富士見市=は、「太さはバラバラになってしまったがおいしい。やはり作りたては香りとコシが抜群」と舌鼓を打った。

 三芳町は県内屈指のソバの産地で、同店など地元の店でも使われている。同組合の芦野仁組合長(62)は、「自分で打ったそばをおいしく食べてもらうのが何より。地元でおいしいそばが作られて、農家とともに安心安全な食事を提供していることを理解してもらえればありがたい」と話した。

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