「才能あり」夏井いつきさんが特選に選んだ先生の7句 福井県で句会ライブ

教職員に俳句の作り方や魅力を伝える夏井いつきさん=8月4日、福井県坂井市ハートピア春江

 俳人・エッセイストの夏井いつきさんが講師となった福井県坂井市内の教職員向け研修会「句会ライブ」が4日、市ハートピア春江で開かれた。夏井さんは「句の解釈は一つではなく、語り合うことで作品の世界は広がる」と魅力を語った。

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 夏井さんは日本一短い手紙コンクール「一筆啓上賞」の選考委員。研修は市教育研究会が企画し、丸岡文化財団などの協力を得て、小中の教職員約470人が参加した。

 夏井さんは「五・七・五」のリズムで季語を入れる約束事について、「1音や2音の多い少ないを気にしない」とアドバイス。5音の季語と、季語とは関係のない“俳句のタネ”の12音を組み合わせる「取り合わせの型」を紹介し、ユーモアを交えながら「誰も書きそうにないタネをつぶやき、それに似合う季語を気分に合わせてくっつけるだけで『才能あり』の句になる」と創作のこつを伝えた。

 教員たちは「OK!」か「OK?」をテーマに句を作り、夏井さんが「夏の川 父に手渡す 銀の缶」「つくしんぼ 何も分からず いい返事」「100分の 保護者面談 日の盛」など特選7句を選んだ。教員は句に込められた思いを第三者の立場で考え、自らの体験などを踏まえて解釈の違いや共感する部分を発表し合った。

 夏井さんは「言葉の向こうに何が隠れているか想像力が養われる。みんなで語り合い、光景や心情に触れることで作品の豊かさに触れることができる」と句会ライブの魅力を話した。

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