海水浴場に現れたイルカ、「かわいい」と思いきや…救急車で運ばれたケースも【敦賀海保日誌】

※写真はイメージです

突然ですがみなさん、海の生き物といえば何を思い浮かべますか? 私は断然“海のギャング”ことサメ派なんですが、人懐っこいでおなじみ「イルカ」派の人の方が多いのではないでしょうか。 水族館のイルカショーなどでも大人気のイルカですが、実は最近、福井県沿岸の海でイルカによる被害が続々と報告されているんです。

季節は海水浴シーズン真っ盛り!福井にも県内外から多くの海水浴客がやってきています。 そんな中、福井県北部の沿岸ではイルカの目撃情報が多数寄せられているんです。 それも週末になる度、海水浴にやってきたお客さんに引き寄せられるかのようにイルカが姿を現し、水深がひざ丈ぐらいの浅瀬までやってくるようになったのだとか。

海面から顔を出して海水浴客に愛嬌を振りまくイルカさん。海水浴に訪れていた人たちは、間近にやってきたイルカに触れてみたいと集まり手を伸ばしますが、次の瞬間、とても可愛かったイルカさんが文字通り“牙を剥く”事態になります!

海水浴場の管理者さんにお話を聞きました。

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7月下旬の日曜日、この日は晴天で海水浴場も盛況だったのですが、この日イルカに噛み付かれ負傷したという被害が6人にも及びました。中には救急車で搬送されたケースも・・・。

「この海水浴場にイルカが現れる」とSNSなどから発信されることで、一目イルカを見てみたいとさらに多くのお客さんが集まるようになり、被害に遭われる方が増えているんだそうです。

管理者さんも、「客寄せパンダ」ならぬ「客離れイルカ」になるのでは、と嘆かれていました。うまいこと言って・・・

イルカは本来とても知能の高い動物で、その知能は人間でいうところの3~6歳児ほどにもなるといいます。

専門家によると、イルカは好奇心が旺盛なんだそうで、おそらく危害を加えるというよりは遊びに近い感覚で噛み付いてくるのではないか、とのことです。

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よく考えてみると、体重2、300キロにもなり、力が強く運動能力抜群の無邪気な3歳児なんて手に負えませんよね・・・。 イルカの泳ぐスピードは時速40キロほどにもなるそうで、体当たりしてくることもあるそう。ぶつかれば当然タダではすみません。もうこれは、イルカも“海のギャング”認定しちゃってもいいのでは?

一見可愛いイルカですが、その中身は「野生」そのもの。一歩間違えると命にかかわる危険があります。イルカを見たら絶対に手を出さない、海から離れて決して近付かないようにしてください!ましてや子供に触らせようなんてもってのほかです!!

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夏の海に泳ぎに行って可愛いイルカを触ろうと手を伸ばしたら、ガブっと噛まれてケガするなんて悲劇ですよね。子供ならトラウマ・・・いや、“サメイルカ”を植え付けられることになるかもしれません。 十分気を付けて安全に楽しい夏の思い出を!(敦賀海上保安部・うみまる)

 

 

 

 

 

 

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