建設業に“完全週休2日制” 諫早のライムイシモト 人材確保へ来春導入

完全週休2日制導入の準備を進めるライムイシモト=諫早市貝津町

 建築板金や太陽光発電などを手がける総合建設業ライムイシモト(長崎県諫早市)は来年4月から、完全週休2日制を導入する。工期や天候に左右される建設業は規則的な休日確保が難しいが、同社は待遇改善によって人材確保につなげる。
 雨天続きで工期がタイトになったり、期間限定の顧客ニーズに応じたりと休日を取りにくいのが実情。だが人手不足が進む中、働き方改革として業界は週休2日制に注目する。国土交通省や県も発注工事について災害復旧などを除き入札要件とするようになり、民間工事への普及も期待されている。ただ厚生労働省の全国調査によると昨年、建設業の完全週休2日制導入率は39.1%で他業種より低い。
 同社の社員数は62人。その3分の2を現場施工と現場管理者が占め、営業や事務と比べ休日取得が難しい。新制度では、土日は基本休み、取れない場合は平日を代休とする。6月、協力会社も含め社員ら110人を集めて安全大会を開き、理解の浸透に努めた。
 生産性を落とさず休日を確保するには、デジタルトランスフォーメーション(DX)などによる業務効率化や技術向上が欠かせない。同社はその推進により現場の増員にもつなげたい考え。
 石本潤治郎代表取締役(50)は「今までの考え方では他業種に後れを取りかねないとの危機感がある。社会や地域のインフラを支える上で若い人材が集まり、育っていく業界でなくてはならない。そのためにも期限を区切って臨みたい」と話している。


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