迫力の巨大はんざき 温泉街華やぐ 真庭・湯原で3年ぶり祭り

温泉街を彩った巨大なはんざきのねぶた

 巨大なはんざき(オオサンショウウオ)の伝説にちなんだ「はんざき祭り」が8日夜、真庭市の湯原温泉街で開かれた。はんざきを模した全長10メートルのねぶたや山車が練り歩き、湯の街に3年ぶりの華やぎを広げた。

 日が沈むとねぶたに明かりがともされ、市湯原振興局(同市豊栄)を出発。和太鼓や獅子舞の先導で、温泉街のシンボルの露天風呂「砂湯」に近い河川敷まで約1キロを進んだ。

 河川敷では、浴衣に花がさ姿の女性らが輪になり、「はんざき囃子(ばやし)」に合わせて総踊りを披露。ねぶたと全長5.5メートルの山車2台が合流して盛り上がりは最高潮になり、880発の花火が夜空を彩った。

 小学2年生の次男と初めて訪れた奈良県宇陀市、自営業女性(43)は「はんざきのファンで、念願の祭りに来られてうれしい。ねぶたと太鼓は迫力満点でパワーをもらえた」と話した。

 温泉街一帯は国特別天然記念物オオサンショウウオの生息地。戦国時代、村の若者が、人や牛馬を襲う大はんざきを退治したとの伝説が残る。祭りは60回目。新型コロナウイルスの影響で過去2年は中止されていた。

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