1982年に行われた「藤沢市核兵器廃絶平和都市宣言」に基づく広島、長崎への青少年派遣事業が今夏、3年ぶりに実施され、市内の小中高生ら23人が参加した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で2年連続で中止を余儀なくされていたが、今回は感染対策を講じた上で実施した。
被災地への派遣事業は87年に始まった広島平和ツアーが源流。今年は、広島市には小学生と保護者の4組8人が8月5~7日の間、長崎市には小学5年生から高校3年生までの15人が同7~10日の間、訪問した。
広島では親子が記者となり、被爆の実相や平和の尊さを取材。爆心地から約700メートル付近で走行中に被爆し、修復後、現在も現役で運行している「被爆電車」(651号車)に乗車し、原爆ドームや広島港を回りながら、小学1年生の時に被爆した梶矢文昭さん(83)の体験談を聞いた。
長崎市では全国の若者が被爆の実相や平和の尊さについて学び、交流する「ピースフォーラム」に参加。同市や全国からの参加者と意見交換したほか、原爆資料館で被爆当時の状況を学んだほか、被爆建造物のフィールドワークなどに取り組んだ。
今年は同宣言が行われてから40周年。核廃絶の願いを込め、参加者による報告会が27日に藤沢市役所本庁舎で行われる。