書道 全国トップクラスの実力で「書」の魅力を伝える佐藤和夏(大分南3年)

「小さい頃から文字を書くのが好きだった」。字が上手な父親の影響もあり、毎日のように字を書き楽しんでいたと話すのは、大分南高校書道部の佐藤和夏。小学3年生の時に、何気なく出展した書道展で奨励賞を受賞したことが、趣味ではなく、書道と真剣に向き合うきっかけになった。小学4年生から書道塾へ通うようになり、「全国小中学生書道チャンピオン大会」では2年連続でチャンピオン賞を受賞した。

高校進学を考える頃、書道を専門的に学べる学校のオープンキャンパスに参加、推薦の話もあったが、彼女の心を動かしたのは大分南高校書道部のパフォーマンスだった。「商業施設のイベントで書道パフォーマンスを見た時、私の中では大分南がとても輝いて見えた。全員がイキイキした表情で書道を楽しむ姿に引かれた」

周囲のアドバイスも大事にしながら、書に向き合った

高校入学後すぐに九州大会に出場し、「第33回大分県高校競書展」では県議会議長賞を受賞した。高校書道の主要大会の一つとされる「国際高校生選抜書展 書の甲子園」でも入選した。2年時には同大会で見事大賞に輝き、全国トップの成績を収めた。先日開催された「第46回全国高校総合文化祭」では特別賞を受賞した。

佐藤は好成績の要因として「大事なのはメンタル。うまく書けない時もあるが、友だちに相談してアドバイスをもらい、自分でコントロールする」と話す。「書の世界はどの世代の人でも楽しめるもの。正解がないので色々な知識を永遠に学ぶことができるのは書の大きな魅力」。毎日書と向き合うが、飽きることはなく、とにかく楽しいと笑顔を見せる。

今後は書道文化学科専攻の大学を目指し、多くのことを教えてくれた顧問の鹿苑晋史教諭のような書道教員になることが目標だ。「自分の技術をもっと上げて、多くの人に書の魅力を伝えていきたい」。夢をかなえるため、佐藤和夏の挑戦はこれからも続いていく。

「多くの人に書の魅力を伝えたい」と語る佐藤和夏

(塩月なつみ)

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