瀬戸内市が所有する国宝「太刀 無銘一文字(山鳥毛=さんちょうもう)」の特別展示が11日、備前長船刀剣博物館(同市長船町長船)で始まり、初日から多くの刀剣ファンが変化に富んだ刃文に見入った。
県内で開催中の大型観光企画「岡山デスティネーションキャンペーン(DC)」(9月末まで)に合わせて実施。午前9時の開館と同時に家族連れや女性グループら約30人が入場する人気ぶりで、山鳥の羽毛を思わせる刃文に熱い視線を送ったり、華やかな刀身を写真に収めたりしていた。戦いで受けた傷とされる刃こぼれを確認する人の姿も見られた。
家族3人で一番乗りした会社員男性(45)=倉敷市=は「刀身には気品があり、刃文は何度見ても本当に美しい」と話していた。
山鳥毛は鎌倉中期の名刀で、瀬戸内市を拠点にした備前刀を代表する流派の一つ「福岡一文字派」の最高傑作とされる。2020年の購入後、公開は3回目で、9月25日まで。
会場では備前鍛冶最大の流派・長船派の刀剣を含む39点を展示している。事前予約制で、同博物館のホームページから申し込める。