広島県の湯崎知事は、12日の記者会見で新たな感染シミュレーションを示し、新たな行動制限は可能な限り行わない方針を示しました。ただし、医療現場が厳しい状況にあるとして「医療非常事態警報」を出し、県民1人ひとりに協力を求めました。
県が過去の感染状況などを踏まえて作成した今後の感染者数のシミュレーションでは、「感染のピークアウトを8月中旬から下旬」と予測。下旬にピークを迎えた場合、1日あたりの新規感染者数が6000人を超える日が続くとしています。
県は、これに伴う対策として、入院病床の確保を最も高い「緊急フェーズ2」に引き上げます。また、病床の最大数を運用することで、このピークを乗り切れる見込みだとして、湯崎知事は、国の方針を踏まえ、「新たな行動制限は可能な限り行わない」と明らかにしました。
一方で…。
広島県 湯崎 英彦 知事
「病床使用率60%前後と高止まりが続いて、医療提供体制が極めて厳しい状況。広島県独自の警報を発出し、県民のみなさまへ感染対策の呼びかけを強く発信いたします」
県は今後、必要な人に医療を提供するため、陰性確認目的で医療機関を受診することや軽症の場合、救急車の利用は控えてほしいと呼びかけました。
検査体制を確保するため、全てのPCRセンターで開設時間を増やすほか、お盆期間中、医師会を通じておよそ4万個の抗原検査キットを配布するとしています。
湯崎知事
「行動制限がないということは、個々の国民・県民・市民が行動を自ら律することをお願いするということ」
湯崎知事は、医療を守るため、そして行動制限を避けるためとして、引き続きワクチン接種の検討や手洗いや換気など、基本的な感染対策の徹底を県民に呼びかけました。