<金口木舌>未来のための宿題

 子どもの頃に読んだSF漫画の物語。一人一台のお手伝いロボットを持っている時代で、何でも質問に答えてくれる。とても便利だが、ロボットが故障すると人間は自力で行動できなくなる

▼当時は遠い未来の話だと思っていた。今はスマートフォンなどがお手伝いロボットの役割を果たす。何か分からないことがあれば、すぐに検索してしまう。スマホやパソコンのない生活は想像できない

▼最近は宿題をサポートする機能もあるようだ。カメラで数式を写すと解答の手順を示す。うまく使えば学習の手助けになるだろう。しかし、頼りすぎては思考力や想像力が育たない可能性がある

▼現実社会は簡単に答えが出ない問題ばかり。予期せぬ事態に直面したとき、自ら考えて行動する力が求められる。最新機器に尋ねてみても答えを教えてくれない

▼豊かな自然を未来に残すために、やるべきことは? 戦争のない平和な世界を築くためには何が必要か? 沖縄にいるからこそ見えてくる課題は多い。今こそ大人も子どもも一緒になって考えたい。

© 株式会社琉球新報社