大雨被災から1週間、刻まれた爪痕深く 福井県南越前町、「ここで住むことができれば」住民前向き復旧に汗

床一面に泥が広がる住宅=8月12日、福井県南越前町大桐

 福井県南越前町を襲った大雨から1週間たった8月12日夕、同町鹿蒜(かひる)地区の大桐は断水が続き、流木やがれき、家具の部材などが至る所に積まれていた。浸水被害を受けた家屋は、床一面に泥が広がり、浴槽には泥水がたまったまま。住民は甚大な被害に「がく然とする」「手に負えん」と打ちのめされながらも、「また(ここで)住むことができるといいなという気持ちはある」と前を向き、復旧作業に当たっている。

 鹿蒜地区を通る県道今庄杉津線には迂回(うかい)路が設けられ、重機やトラックが至るところで作業していた。県道沿いには倒れかかった電柱や崩落した橋が無残な姿をさらし、ほかの橋にも流木が引っかかったまま。氾濫した鹿蒜川の両岸には多くの土のうが積まれている。

 半数以上の世帯が浸水被害を受けた河野地区赤萩集落も含めて、復旧の人手はまだまだ足りていない。大桐の高齢住民は声を振り絞った。「ボランティアの方々に助けていただくことしかできない」

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