晴れ着、格安で着付けして写真撮影 相模原の市民団体

撮影会の写真のイメージを紹介する魔耶さん=相模原市中央区

 一生に一度の七五三や成人式で、経済的な理由で晴れ着を着ることができない人を対象に、相模原市の市民団体「着物de文化フォト未来事業」が格安で着付けし、記念写真を撮る活動を続けている。同団体は「華やかな自分の姿を見て笑顔になってほしい」と話し、10月に行う撮影会の参加者を募っている。

 活動を始めたきっかけは2018年、横浜市の振り袖販売・レンタル業「はれのひ」が成人式直前に突然店を閉じ、多くの新成人が晴れ着を着られなかったことだった。同団体代表で、写真館「スタジオ魔耶」(相模原市中央区)の代表でもある魔耶さんが「嫌な思い出にしてほしくない」と着物スタイリストなど7人と協力し新成人に向けた企画を立ち上げ、同年から経済的に厳しい世帯を対象に撮影会を行っている。

 通常、振り袖のレンタルだけで数万~数十万円かかり、ひとり親世帯などには成人式の出席自体を諦め、記念写真を残せなかった人が少なくないという。

 これまで撮影会に90人以上が参加した。初めて見る振り袖を見て喜ぶ人や、前向きな気持ちになった人が多くいたという。魔耶さんは「写真は時間がたっても色あせることなく、心に残る。いい思い出を残してほしい」と話す。

 対象は、相模原市や近隣自治体に住むひとり親家庭と住民税非課税世帯の3、5、7、20歳を迎える人。年齢が過ぎていても受け付ける。9月末までに要予約。撮影会は10月16、22日の午前10時~午後4時。会場は同市緑区合同庁舎4階。費用はクリーニング代として5500円。予約・問い合わせは同団体のメール(kimonofoto.mirai@gmail.com)へ。

© 株式会社神奈川新聞社