津山圏域消防組合 熱中症搬送倍増 7月末、10年間で2番目の多さ

 全国的に厳しい暑さが続く中、津山圏域消防組合管内(津山市、勝央、奈義、鏡野、美咲、久米南町)で熱中症とみられる患者の搬送が増えている。7月31日時点での搬送者数は前年同期比35人増の74人。2018年の125人に次ぎ過去10年間で2番目の多さとなっており、同組合が注意を呼び掛けている。

 搬送者数は4月が2人(前年比2人増)、5月7人(5人増)、6月19人(15人増)、7月46人(13人増)。7月で既に昨年(4月26日~10月3日)の69人を上回っている。年代別では65歳以上の高齢者が41人と約6割に上っている。

 同組合は、梅雨明けが平年より10日以上早かった18年同様、今年も統計上で最も早い6月28日となった梅雨明けが影響し「暑さに慣れていない状態で一気に夏を迎え、高齢者らが体調を崩したのではないか」と説明する。

 具合の悪化は住宅内(37人)、学校や店舗など人の出入りが多い場所(14人)、仕事場(12人)で多く見られた。時間帯は「午前10時~正午」「正午~午後2時」「午後4時~6時」が各15人と、日中の搬送が8割近くを占めた。市町別は津山50人、久米南7人、美咲6人、奈義5人、鏡野4人、勝央2人。

 8月も9日時点で17人を搬送。例年なら暑さに慣れて搬送者が減ってくる時期だが、今年は高止まりが続いているという。

 同組合警防課は予防策として「小まめな休憩や水分補給、十分な食事に加え、エアコンや扇風機の使用をためらわないことが重要」と強調。手足の震えやしびれ、足がつるといった初期症状が見られる場合は、着衣を緩めて熱を逃がし、脇や首に氷を当てたり、肌を霧吹きでぬらして風を当てたりして冷やすようアドバイスする。

 同課は「高齢者は代謝が落ち汗をかきにくく、乳幼児は道路の照り返しを受けやすいので特に注意してほしい」としている。

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