「第二子の希望は叶う?」住宅ローンを組んでから家計が不安になった33歳男性

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。
今回の相談者は、33歳、会社員の男性。ローンを組み住宅を購入したばかりの相談者。第二子を希望していますが、このままの家計で大丈夫か、アドバイスが欲しいといいますが…。FPの渡邊裕介氏がお答えします。


いつも記事を読み勉強させていただいております。自分たちもまずいのではないかと思いました。住宅を購入したのですが、今後が不安です。第二子も希望しており、家計を見直したいです。

現実的に第二子が可能かお聞きしたいです。どうか、ご採用いただけますようお願いいたします。

【住宅ローン情報】

2022年7月購入、物件購入額4,500万円、借入額3,730万、金利フラット35S (5年間1.04%・ 10万5,989円、30年間 1.29%・11万408円、返済期間35年

【相談者プロフィール】

・男性、33歳、公務員

・家族:妻32歳(団体職員)、子ども3歳(保育園)、

・お住まいの都道府県:東京都

・住居の形態:持ち家(マンション・集合住宅)

・毎月の世帯の手取り金額:45万8,000円

・年間の世帯の手取りボーナス額:夫110万円、妻0~30万円

・毎月の世帯の支出の目安:43万円

【毎月の支出の内訳】

・住居費:12万4,739円

・食費:10万円

・水道光熱費:3万円

・教育費:3万円

・保険料:8万1,394円

・通信費:8,000円

・お小遣い:3万円

・その他:3万円

【資産状況】

・毎月の貯蓄額:-円

・ボーナスからの年間貯蓄額:100万円

・現在の貯金総額(投資分は含まない):200万円

・現在の投資総額:NISA 20万円、ユニットリンク50万円、ドルスマート25万円

・現在の負債総額:住宅ローン3,730万円、奨学金約330万円(第二種奨学金 月1万3,100円残48カ月、企業奨学金・無利子月2万3,100円・残118カ月)

渡邊:こんにちは、ファイナンシャルプランナーの渡邊裕介です。住宅を購入した事により、今後に対して不安を感じているご相談者。将来希望している第二子についても、住宅ローンの返済をしながら、しっかりと教育費負担をしていけるかどうか心配なご様子です。ご相談者と妻の収入の割り合いなど詳細が分からないため、世帯収入をベースに考えていきましょう。

ライフプランの優先順位を明確にする

まず大前提として、今後のライフプランを考える際の優先順位を考えなければいけません。人生においては住宅購入以外にも、普段の生活レベル、子どもに関することや、老後の生活についてなど、やりたいことや実現したいこと、お金がかかってくるであろう様々なライフイベントがあります。将来の理想の生活について、ご夫婦でそれぞれを書き出し、優先順位付けをすることから始めましょう。例えば、

(1)ステキな家に住みたい
(2)子どもは2人欲しい
(3)教育費はなるべくなら出してあげたい
(4)今の生活レベルの維持
(5)老後の生活費の確保

などです。「ステキな家に住んだ上で、生活レベルを落としたくないので、子どもは1名で良い」という方もいれば、「子どもは最低でも2人欲しいので、そのためなら家は郊外でも良いので予算を落として考えたい」「何よりも老後の生活費確保が大事」などなど色々な価値観の方がいらっしゃいます。まずはご自身の優先順位について整理してみましょう。

ご相談者の場合、既に住宅購入をされているので、第一順位は「住宅購入」とします。その上で、子どもは2名欲しいということですので、今現在や老後の生活費はある程度落としても良いと考えます。将来の教育費については、出来れば出してあげたいが、奨学金を活用する選択肢もあります。ご自身も奨学金を活用されているので、比較的身近かもしれません。

このように、今後の生活をどのような想定で考えるかによって、ガラッとシミュレーションは変わってきます。まだ将来についての具体的なイメージが固まっていないようですので、それを整理することから始めなければいけません。

今後考えるべきことは? 妻の働き方・教育方針・生活費

1.妻の働き方について
2人目の妊娠、出産を考えると、出産前後の収入の変化についても考慮する必要があります。育休を取るのであれば何歳までか、時短で働く時期やフルに戻る時期およびその際の収入についてなどです。出産してみての意識の変化などもあるので注意が必要です。

2.子どもの教育方針について
まず、小中高と公立か私立に行かせたいのか。大学の費用も親として準備してあげたいという考えもあれば、大学は子どもが行きたければ奨学金で行ってもらうという考え方もあります。現段階での方向性や考えについても夫婦ですり合わせる必要があります。その方針によって、いつまでにいくら準備が必要かが変わってきます。

3.最低限必要な生活費について
家計の見直しといっても限界があります。既に住宅は購入しており住宅ローンの返済は確定しています。その上で、今後生活していく上で最低限必要な金額についても考えてみましょう。今の生活よりも、住宅購入や子どもの教育費準備の方が優先順位が高いのであれば、ある程度抑えた生活でも苦しいと感じないでしょう。

今後考えるべきことは? 老後の生活費・現在の貯蓄

4.老後の生活費について
今の生活費を基準に老後の生活についても想像してみましょう。住宅ローンの返済や教育費準備と並行して老後の準備も必要です。30年以上先なので、見通しが難しい部分もありますが、ある程度想定をしておくことも重要です。

5.現在の貯蓄について
1~4を整理した上で、現在の貯蓄で充分かどうかシミュレーションをしてみる必要があります。特に、保険を活用した貯蓄もされているようですので、それぞれの保険の貯蓄目的についても改めて考えてみてください。何の目的でいつまでにいくら貯められる予定なのかを整理することで、これらの保険を継続する必要性があるかについても判断出来るようになります。商品性は悪くなくても、ご自身のライフプランとの適正が悪い場合もあるので注意が必要です。

今回のポイントをまとめると…

ライフプランを考える際に重要なのは、将来理想の生活をするためには、今からどうすれば良いのか具体的な解決策を考え実行することです。そのためには、目指すべき理想の生活について目標設定が必要になり、現状を把握した上で、解決策を考えていく必要があります。収入や支出など前提が異なると、まったく意味のないプランになってしまいます。

せっかくお2人目のお子さまを希望されているのであれば、2人いる前提での生活設計の組み立てを目指しましょう。そのためにはファイナンシャルプランナーなど専門家に具体的な相談をし、明確な目標を持って行動することをお勧めします。

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