芸科大生ら作品展示 倉敷4会場に 斬新、びょうぶの概念一新

倉敷芸科大の研究生らが制作した斬新な〓風を鑑賞する観光客ら=新渓園(〓は尾の毛が併の旧字体のツクリ)

 倉敷市内の歴史的建造物で倉敷芸術科学大(同市連島町西之浦)の学生らが手掛けた〓風(びょうぶ)作品を紹介する「倉敷四方(よも)〓風展」が16日、新渓園(同市中央)など3会場で始まった。先行開催している旧野崎家住宅(同市児島味野)と合わせて計4会場になり、観光客らが伝統と現代を融合させた意欲作に見入っている。

 同大の森山知己教授(日本画家)から伝統的な表装技術の継承について学ぶ学生や研究生、大学院生ら13人が吉備胡粉(ごふん)で制作した計26点を展示している。

 新渓園には、倉敷川の白鳥や高梁川の生物をテーマにした9人の秀作13点が並ぶ。博士課程3年原田よもぎさん(26)の「はじまりの木」(6曲1隻、高さ約1.8メートル、幅約5.4メートル)は、青色を背景に、白色や銀箔(ぎんぱく)でタコと大木を描いて生命の源を表現した大作。研究生潮嘉子さん(24)の「夢現(ゆめうつつ)」(同)は、白や黄色のボタンとクジャクを絹本にあしらった。

 同園を観光で訪れた神戸市西区の会社員男性(40)は「斬新なデザインを見たことで、これまでの〓風の概念が一新された。古い建物ともマッチしているのが不思議」と話した。

 新渓園と倉敷国際ホテル(同市中央)は入場無料で29日まで、西爽亭(同市玉島、無料)と旧野崎家住宅(有料)は9月4日まで。問い合わせは、倉敷市や大原美術館でつくる実行委(086―426―3411)。

〓は尾の毛が併の旧字体のツクリ

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