<島原半島・涼巡り>ひんやりもちもち “寒ざらし” 銀水(島原市白土桃山2丁目)

浜の川湧水のせせらぎの中、寒ざらしに舌鼓を打つ来店客=島原市、銀水

 あめ色の蜜の中から、小さな白玉団子をすくう。口に運ぶとひんやり、もちもちしたやわらかい食感が、甘い蜜と程よく調和する。島原名物「寒ざらし」の素朴で懐かしい味わいに舌鼓を打つ。
 観光スポット「浜の川湧水」に隣接する寒ざらしの名店「銀水」。座敷席から臨む清流と、店内に引き込んだ湧水が奏でるせせらぎのBGMが、涼しげな空間を演出する。湧水で仕込んだ甘味目当ての市民や観光客が訪れ、コロナ禍にもかかわらず、昨年度は約1万9600人が来店した。

「銀水」地図

 大正期建築の風情が漂う店内で県立島原高2年の谷口陽香さん(16)は「今どきの女子ウケもいい雰囲気。冷たくて甘くておいしい」と笑顔。運営する菓子製造業「玉乃舎(たまのや)」の稲田智久社長(54)は「歴史や水のせせらぎなど、島原の魅力を味わえる唯一無二の場所」と話す。


© 株式会社長崎新聞社