保護区域で希少植物観察会 諸塚・黒岳

保護区域に生息するキレンゲショウマを撮影する参加者

 キレンゲショウマなどの希少植物観察を楽しむ登山ツアー(諸塚村観光協会主催)が今月、諸塚村の黒岳で行われている。参加者は緑にあふれる夏山を登頂してから保護区域に立ち入り、かれんな黄色い花を楽しんでいる。
 黒岳はキレンゲショウマの国内最大級の群生地だったが、シカの食害で5、6年前は全滅が危ぶまれるほどの状態に。保護区域を囲む防護ネットを重ねて設置し回復を図っていて毎年、観察ツアーの時だけ区域内に立ち入ることができる。
 ツアーは今月4回開催し、初回の11日は宮崎市などから7人が参加。ガイドを務めた同協会スタッフから、生息する植物や食害の状況、保護活動などの話を聞きながら山頂を目指した。頂上に近づくにつれシカに樹皮を食べられた木々が次々現れると、参加者は被害の大きさに驚いていた。
 保護区域ではキレンゲショウマやヒナノウスツボなどの希少植物が愛らしい姿を見せ、参加者は感激した表情で撮影。初めて諸塚に来たという同市大塚町の会社員、荒川友貴さん(33)は「自然の中で体を動かすことができ貴重な体験だった。地域の人が懸命に守っているキレンゲショウマを見られ、本当に感動した」と話していた。同ツアーは18、19、20日にも行われる。

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