「まるなか本舗」破産申請へ 原材料高騰、資金繰り悪化

破産申請準備に入った「まるなか本舗」総本店の臨時店舗=長崎市岩川町

 創業91年の水産練り製品製造販売「まるなか本舗」(長崎市、中村吉治社長)が破産申請の準備に入ったことが17日、分かった。同日までに事業を停止し、代理人弁護士に事後処理を一任した。負債総額は不明。
 同社は1931(昭和6)年創業。63年に中村蒲鉾店として法人化、81年に現社名へ変更した。88年には同市京泊3丁目に三重工場を開設し、かまぼこやハトシロールなどを主体に製造販売してきた。
 東京商工リサーチ長崎支店によると、96年9月期は売上高約20億3千万円を計上したが、食文化の多様化などで需要が伸び悩み、2021年9月期は約3億8千万円まで落ち込んだ。近年は魚のすり身など原材料価格や人件費が高騰し、資金繰りが悪化していた。
 20年10月には長崎市岩川町の総本店が隣接する建物の火災によって全焼。同年12月に近くの臨時店舗で営業再開した。今年3月開業したJR長崎駅高架下商業施設「長崎街道かもめ市場」内にもテナント出店していた。


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