ヴェルスパ大分 闘将・篠原宏仁が掲げるJFLと国体優勝の2冠

単独チームでサッカー成年男子の国体九州ブロック大会に挑むヴェルスパ大分。8チームが参加するトーナメント戦で、3チームが本戦の出場権を得ることができる。キャプテンの篠原宏仁は「日頃から支援してくれている大分県やサッカー協会などの方々に恩返しをしたい。チームとしても公式戦の一つとして戦いたい」と話す。

競技様式は通常とは違い、試合時間は70分(通常は90分)で、ベンチメンバーは15人(同18人)。順当に勝ち上がれば2日で2試合となるが、3位決定戦に回れば3日で3試合をこなす過密スケジュールを強いられる。格下の相手となるが、いつも以上に先制点がカギとなるのは確かだ。「試合時間が短いので、相手が守備を固めてくることも想定しているが、自分たちのスタイルでプレーできるかがポイント。早い時間帯に点を取れば有利に試合を進められるし、点が入らない状態が続けば焦りが出てくると思うがうまくコントロールしたい」(篠原)。

中盤のダイナモとして動き回る篠原宏仁

篠原の語るポイントとは、夏場の戦い方だ。攻守において連動性がカギを握る大分のサッカーは、運動量がなければ成り立たない。しかし、酷暑の中でそれを保つことは困難だ。ここ数試合のJFLのリーグ戦では、守備はラインを下げてブロックを築き、流れを見定めた上で仕掛ける。篠原は、「全体的に守備の強度が落ちているのが気になる。ラインを下げることも必要だが、自分たちから攻撃的な守備を仕掛け、主導権を握って試合をしたい」と話す。国体九州ブロック大会で課題をクリアして、終盤を迎えるリーグ戦に備えたいようだ。

昨季からキャプテンとなり、立場が人を変えた。それまでは自分の役割を完璧にこなす仕事人であったが、チームの勝利を優先することで言動が変わり、プレースタイルも変わった。監督とは常にコミュニケーションを取り、チームの方向性を話し合い、選手と監督のパイプ役となる。試合では誰よりも汗かき役となってチームのために走る姿は、仲間に勇気を与える。闘将と呼ぶにふさわしいキャプテンとなった篠原の今季の目標は、JFLと国体での優勝。「漠然と勝つのではなく、自分たちのスタイルを出し切って勝つのが理想」。リアリストであり、ロマンチストである。欲張りなキャプテンの理想がかなったとき、優勝カップを高々と掲げていることだろう。

今季の目標はJFLと国体の2冠

(柚野真也)

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