山本尚貴が約2年ぶりのポールポジション獲得。平川亮はQ1落ち、笹原右京はQ2アタックできず【SF第7戦予選レポート】

 8月20日(土)、2022年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦・公式予選がモビリティリゾートもてぎで行われ、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)がポールポジションを獲得。2番手にはサッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が、3番手には大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)が入った。

 今大会は土曜日に第7戦の予選・決勝、日曜日に第8戦の予選・決勝と、1イベント2レース制のフォーマットで開催されている。専有走行が行われた19日(金)は強い日差しが降り注いだモビリティリゾートもてぎだが、一夜明けたこの日は朝から薄い雲がかかり、朝は過ごしやすい陽気となった。直前に行われたTCRジャパンシリーズの予選でクラッシュが発生した影響で、スーパーフォーミュラ第7戦予選は予定より15分遅れの9時20分にスタートした。

 Q1のA組では、笹原右京(TEAM MUGEN)、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、山下健太(KONDO RACING)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、大津弘樹(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、松下信治(B-Max Racing Team)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)、大湯、佐藤蓮(TEAM GOH)、国本雄資(KCMG)が出走。

 他に対して一足早くアタックを仕掛けた松下の1分31秒328が、まずはターゲットタイムに。平川が1分31秒452で2番手に続いたが、ここから各車が続々とトップタイムを更新していく。大津がいち早く1分30秒台に入りトップに立つが、すぐさま大湯が1分30秒840で逆転。さらに、前戦のウイナー笹原が1分30秒719で大湯を上回りトップに立った。

 平川はじわじわとポジションを落としていき、Q2進出圏内ぎりぎりの6番手へドロップ。なんとか踏みとどまりたかったところだが、宮田が1分31秒439をマークして0.013秒平川を上回り6番手に滑り込み、これでセッション終了。ランキングリーダーの野尻智紀(TEAM MUGEN)とのポイント差を詰めるべくポールポジション争いに残りたい同2位の平川だったが、なんとここで予選を終えることとなってしまった。

 トップタイムは笹原で、以下、大湯、大津、松下、山下、宮田がQ2進出。平川、佐藤、国本、阪口がノックアウトとなった。

2022スーパーフォーミュラ第7戦&第8戦もてぎ 平川亮(carenex TEAM IMPUL)

 続くB組には、野尻、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、フェネストラズ、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、山本、三宅淳詞(TEAM GOH)、小林可夢偉(KCMG)、福住仁嶺(ThreeBond Drago CORSE)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)が出走した。

 前戦で大クラッシュを喫し、モノコックから完全新車での出場となったフェネストラズからアタック開始。金曜日の専有走行は最下位に終わってしまったフェネストラズだが、このセッションでは1分31秒182と、A組ではQ2進出圏内に入るタイムで暫定トップにつける。続いてコントロールラインを通過した山本は1分31秒254で暫定3番手。坪井が1分31秒090でフェネストラズを逆転するが、続いて野尻が1分30秒743でさらに坪井を上回りトップに立った。

 このあと、牧野が1分31秒081で野尻に迫る2番手につけ、さらに関口が1分31秒056で牧野を退け2番手に。続く三宅、大嶋は下位にとどまり、これで決着。野尻がトップでQ2進出を決め、関口、牧野、坪井、フェネストラズ、山本までがQ1を突破した。小林、三宅、アレジ、大嶋、そしてトラブルからかアタックせずにピットへと戻ってきた福住がここで予選を終えることとなった。

■Q2ではアタック直前に大トラフィックが発生

 Q2は、野尻、山下、牧野、大津の4台のみがチェックラップを行い、他は残り時間が4分半を示したところから続々とコースイン。そのなかで、先頭でコースへと入ったフェネストラズと、ひとりタイミングをずらしてコースインした牧野、そして山本、松下あたりまではクリアスペースでウォームアップができたものの、以降のドライバーはコース上で大トラフィックが発生。

 セッション終了のタイミングが近づき、コントロールタワーではチェッカーフラッグの用意が始まるところでなだれ込むようにアタックに入っていく。最後尾につけていた笹原はわずかに間に合わずチェッカーが振られてしまい、アタックに入ることなく予選を終えることになってしまった。

 後方ではそんな波乱があったものの、クリアラップをとれているフェネストラズらはフルプッシュ。まずは1分30秒739でQ1での自己ベストタイムを更新して暫定トップに立つ。続く牧野は1分30秒908で2番手に。そこへ、セクター1、2と全体ベストタイムをマークしていた山本が、1分30秒423で逆転トップに躍り出た。松下、坪井、大湯と次々にコントロールラインに戻ってくるが、山本のタイムが塗り替えられることはなく、野尻のタイムに注目が集まる。しかし野尻は1分30秒813にとどまり4番手。最後に山下が1分30秒962をマークし、これで山本のポールポジション獲得が決定した。

 山本は、シリーズチャンピオンになった2020年12月の第5戦鈴鹿大会以来、約2年ぶりとなるポールポジション獲得。2番手にはフェネストラズ、3番手には大湯が入り、4番手の野尻は開幕戦以来に予選トップ3を逃す形になった。1ウィーク2レースの今週末は、わずか5時間のインターバルで決勝レースが始まる。37周で争われる第7戦決勝は、このあと14時30分にスタートの予定だ。

2022スーパーフォーミュラ第7戦&第8戦もてぎ サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)
2022スーパーフォーミュラ第7戦&第8戦もてぎ 野尻智紀(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第7戦&第8戦もてぎ 笹原右京(TEAM MUGEN)
2022スーパーフォーミュラ第7戦&第8戦もてぎ 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
2022スーパーフォーミュラ第7戦&第8戦もてぎ 大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)

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