紙芝居、長崎弁で児童に 古典落語「まんじゅうこわい」 長大学生、闘病の絵本作家と企画

「まんじゅうこわい」の紙芝居を長崎弁で披露する小田さん(左奥)と朝長さん

 長崎大の学生ボランティア「読み聞かせ隊」が長崎由来の古典落語「まんじゅうこわい」の紙芝居を作り、長崎弁で読み聞かせる活動に取り組んでいる。19日、長崎市御船蔵町の市立西坂小で児童に初めて披露した。
 紙芝居のベースは長崎市のアマチュア絵本作家、西村仁さん(65)が昨年自費出版した絵本。その昔、好き嫌い問答をする若者たちの中で、ある男はまんじゅうが怖いと明かし、驚きの結末が待ち受ける。有名な落語だが中国から長崎に伝わり全国に広がったという。
 急性骨髄性白血病を患い闘病生活を続ける西村さんが「子どもたちに笑顔を届けたい」と、学生ボランティアの支援をしている「やってみゅーでスク・U-サポ事務局」(同大)にボランティア企画を提案。募集に環境科学部2年の里菜々子さんら5人が集まった。
 メンバーは今年の春休み、絵本を基に約15分の紙芝居に仕立てた。里さんは「実生活に即した話し言葉にしたくて、家族にもアドバイスを求めた」と話す。7月に「YouTube」での配信を始め、同小での読み聞かせが初めての実演に。
 メンバーで経済学部1年の小田隼さん(18)、教育学部1年の朝長桜さん(18)が5、6年生を前に披露すると、児童らは笑顔で拍手。「長崎弁で聞くとなじみやすく意味がよく分かった。面白かった」などと感想を語った。隊は今後もオリジナルの紙芝居を長崎弁で作るなどして、活動を続けるという。


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